目黒5歳児虐待死事件 我々は何ができるのか?


●いまも虐待で苦しんでいる少年少女がたくさんいる

 今月、目黒に住む5歳の幼い少女の命が断たれました。両親の虐待による死亡です。

 


 少女の愛らしさと、文字通り命をかけてわずか5歳の少女が書き残した『反省文』が、多くの人の心を打ち、悲しみと虐待をした加害者への怒りが湧き上がっています。


 私は昨日、あるツイートで


「このような事件を起こさないために、教育を昭和時代に戻さねばならない。昭和の熱血教育なら絶対にこんな事件は起こらない」


 という一文をみて


「いまだにこんな考えかたの人がいるのだなあ。昭和のほうがいまよりはるかに虐待や親による子殺しが多いことを知らないのだなあ」


 と思い、以下のようなツィートを書きました。


(リンク先は、『少年犯罪データベース』の【児童虐待の基本データ】]ですので興味のある方はご一読を)


 さて、こんな何気ないツイートが、一日もたたないうちに9000以上もリツィートされており、多くの皆さまがいかにこの問題に関心があるのかがよくわかります。


 これまでもこのブログやSNS等で、不登校やひきこもりの周辺事態である【虐待】について書いたりしてきましたが、反響は多くありませんでした。


 少女の愛らしさや、残された反省文の衝撃、加害者への怒りと、「昭和時代のほうが良かった」ということに対する反応であると思うのですが、一つ忘れてほしくないこともあります。


 それは、まだ死に至っていないものの、多くの虐待を受けている子どもたちがいるということです。


 私たちがこの悲しい事件から学ばなければいけないことは、このような悲劇を極力繰り返さないようにすること!

 いま、虐待を受けている人たちをいかにして救うかを考えることででしょう。



●加害者や児童相談所を責めるだけでは何もならない

 加害者である両親を責める気持ちは当たり前の感情でしょう。

 また、少女を救えなかった「児童相談所は何をやっているんだ」という気持ちもわかります。

 加害者はこれから司法によって裁かれます。

 児童相談所は、改善点もあるでしょうから、そこはしっかり改善を目指してほしい。

 児童相談所に関しては、それでもよくやっていると、私は思っています。虐待事件は近年急速に虐待が増えたとされていますが、その実態は、社会的意識の高まりによって、人々がこれまで虐待だと思っていなかったことが、虐待であったことを学習し、虐待の相談・通報が増えたことが、大きな原因だと思います。



 これら急増する虐待の通報・相談に対して、児童相談所は人手が足りない状況となっているのです。


 当たり前の話しですが、児童相談所の相談員は誰でもいいというわけではありません。


現在、児童相談所の職員は「児童福祉司」「児童心理司」、その他精神科医師や保健師などが配属され、問題のある家庭などに家庭訪問などを行っていますが、虐待児童の急増によりなかなか手が回りきらない状態のようです。


 また、家庭訪問を行っても、居留守をつかわれたりすると中々親に会えないという状況にもなります。


 虐待は被害者である児童自身が相談に行くことも、通報することもありません。親自身が悩んで相談に行くか、誰かからの通報によるわけです。


 そんな中、問題を抱えた親から子どもを保護しても親が


「子どもを児童相談所に拉致・監禁された! 児童相談所は人さらいだ!」


 と、騒ぎ出すこともあります。そんな親の相手をしなければならないのが、児童相談所であったりするのです。


 そんな中、我々ができるのは、我々自身が虐待はいけないことだと充分に理解すること。


 問題のある家庭があったら「他人の家庭だから」と見て見ぬふりをするのではなく、ちゃんと通報すること。


 その空気をこの国に広めることではないでしょうか?



※虐待がなぜいけないのかについては当ブログの『科学的にみて、なぜ体罰がいけないのか? 』をご一読してください。



 FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)拝

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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

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