子どもを親の生きがいにしてはいけない


●生きがいがなくても人は生きる

 すごく当たり前の話しなんですが、人は生きがいがなくても生きていけます。

 生きがいがなくても、陽が沈めば夜が来て、やがて朝が来てまた夜になりを繰り返し、そして人は生きていきます。

 でも多くの人は「人生に生きがいが必要だ」といいます。



 本当でしょうか?



 そんなことはありません。人は生きているだけでいいんです。

 もちろん、生きがいはあってもいい。だけどなくてもいい。




 さらにいうと、どうしても生きがいが欲しい人は、その生きがいとやらを選んだほうがいい。




 よく結婚して子どもができて、育てていくと「子どもが唯一の生きがいです」という人がいます。

 でも、もしそれが本気の本当なら、将来子どもが独立したとき、その人は生きがいを失うことになるのかもしれません。




●それは生きがいが、それとも執着か?

 精神医学や心理学に『共依存』というものがあります。

 わかりやすくいうと、アルコール依存症になってしまったダメな夫をけなげに支える妻がいるとします。

 妻は夫がお酒を飲まないように、一生懸命夫を支え、励まします。やがて夫を支えることが妻の生きがいになります。

 周囲の人たちからも、「あそこの奥さんは立派だ。ダメなダンナを一生懸命支えてがんばっている」とほめられます。

 やがて夫も改心し、お酒をやめ、ちゃんと働くようになります。




 そのとき妻は【夫を支えるという生きがい】を失うのです。




 そのとき妻は、ほとんど無意識のうちに「あなた、最近はよくがんばっているわね、私もうれしいわ。きょうだけ特別に一杯お酒を飲みましょう」

 と、お酒をすすめるのです。そして夫は「じゃあ一杯だけ」と・・・ それが「もう一杯」「もう一杯」となり、たちまち元のアルコール依存の逆戻り。





 結果妻は・・・そう【生きがい】を取り戻したのです。

 



 これはアルコール依存だけではなく、これは子育て中の親御さんにも、ときとして見られる場合があります。

 子どもがひきこもりやニートになった・・・ 親は一生懸命面倒を見る。いろいろな対策を調べたり、同じ悩みを持つサークルに出かけたり・・・


 やがてその成果があったのか、子どもがアルバイトをはじめようとすると・・・





「そんなくだらないアルバイトなんて行っても意味がない」




 などといったりすることもあります。

 これらは【生きがいの悪い面】が出たときのものですね。


 生きがいというより、むしろ【執着】といってもいいものかもしれません。




●生きがいを人生の目的にしないこと

 生きがいを人生の目的にしてはいけません。生きがいはせいぜい趣味程度でいいんです。

 仕事が生きがいの人の中には、定年退職してしょぼくれてしまう人や家族から邪魔者扱いされてしまう人がいるといいます。

 生きがいは人生の中であまり重要なものや目標にせず、【趣味】や【楽しみ】程度しておくのがいいのかもしれません。

 
 まして子育てを親の生きがいなどにするべきではありません。


 キツいですよ、親の生きがいにされてしまった子どもは・・・


 親は親で人生を楽しみ


 子どもは子どもの人生を歩んでもらう


 その程度でいいんでしょうね。





 FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)拝

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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

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