いじめ後遺症・大人になってからの影響とは
●いじめ被害者は大人になっても影響がある!
今朝のNHK番組『あさイチ』でいじめ後遺症について取り上げていたらしく、「そんなものがあるの?」と知り合いで話題になっているのです。
実際、ひどいいじめを受けた人は、大人になってもいじめの影響は受けるようです。それを「いじめ後遺症」というのですが、いじめは被害者にどのような影響を与えるのでしょうか?
15年9月、NHKの特集ドラマ『海底の君へ』といういじめ後遺症をテーマにしたドラマで、脚本の監修をした精神科医の斎藤環さんのツイートによれば
「いじめ被害の経験は、社交関係の欠如、経済的困難、50歳の時点での生活満足度の低さなどに関連していた。」
とのこと。
(http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/8000/228306.html)
イギリスのキングスカレッジの研究者らが7771人を対象に50歳まで追跡調査を行ったところ、28%の人が7〜11歳時に時々、15%が恒常的にいじめを受けていて、そうした人は40年たってもなおトラウマに苦しんでいることがわかったとのこと。
いじめに遭っていた人は、そうでない人に比べて、いじめを受けて20年30年40年たっても、対人恐怖、引きこもり、社会不安障害、うつ、自殺を考えてしまったり、肉体的にも精神的にも不健康であり、認知能力(知的能力)は比較的低く、自殺を考えたり、うつ病、摂食障害といった病気を抱えたりする確率も多いそうです。
いじめ被害者はそうでない人に比べて『自己肯定感が低い傾向』があり、『自分を責める傾向』があるといいます。
それは2013年、アメリカの調査によると、いじめられた経験のある人たちの将来的な離職率はそうでない人の2倍にのぼるとういデータにも表れているようです。
たかがいじめというなかれ。いじめ加害者は、大した罪悪感もなくいじめたことも忘れてしまいがちなのですが、いじめ被害者はその傷を一生引きずることが少なくないようです。
事なかれ主義からいじめをなかったことにしたい教師もいると聞きますが、そうではなく断固としていじめを減らすべく行動していくべきです。
実はいじめを行うとき、人は一種の快感を覚えるといいます。「いじめを受けるのは、その人が悪いからだ」といった“正義の快感”が生まれるそうなのです。
だからこそ、いじめを無くすことは難しいのです。
●いじめ後遺症を克服するには
いじめ後遺症を克服する方法ですが、私は医師でもカウンセラーでもありませんので、「素人である巨椋はこう思う」という程度で読んでください。
ひどくつらいと思ったり、あるいは心や体に症状がでている場合は、「いじめ後遺症」は病気と考えていいと思いますので、心療内科等で治療をしていただきたいと思います。
また、カウンセラーに話しを聞いてもらうのもいいと思います。話すというのは、それだけ心のつかえが降りる効果があるといいます。心療内科や精神科はおそらく薬物療法が中心となりますが、話しを聞いてもらうというのは、副作用がない治療法といえると思うのです。
また、いじめ後遺症には人間不信、対人恐怖、自己肯定感の低下があります。いじめ後遺症は人に傷つけらることですが、人に傷つけられた場合やはり人に癒してもらうのが一番かも知れません。それは、安心できる友だちを作ったり、安心できる居場所を探したりするのもいいでしょう。
その友だちや居場所で「私はいじめられていた・・・」などと話す必要はありません。安心できる友だちや居場所での交流は、それだけで自己肯定感を向上してくれるからです。
そしてスポーツをオススメします。30分の運動は、抗うつ剤1錠分の効果があるといわれています。しかも副作用もありません。
運動をして汗を流すことで、ストレスの解消、肉体を疲労させることで安眠が期待できます。
また、体が鍛え上げられることで肉体的自信を持つこともできるかも知れません。
いじめというのは、とても卑怯であり、その被害を受けるというのはとても悲しいことです。
いじめを受けた人が悪いなどということはありません。いじめ後遺症に苦しむ人が1人でも少なくなることを願ってやみません。
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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。
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