【怒りの正体】怒りは悲しさや不安の表れ
●怒りは第二感情
生きづらさを抱えている人、不登校・ひきこもり・ニート系の人のほとんどは、心に怒りを抱えています。
では『怒り』とはなんでしょう? 人はなぜ怒るんでしょうか? 今回はそんな怒りの正体について考えてみたいと思います。
さて心理学では怒りというのは第二感情であるといいます。
第二感情というくらいですから、当然第一感情というものがあります。これは意識できる感情のことです。
何か心配なこと、不安なこと、悲しいことが起ったとします。
当然気になりますよね。
やがてイライラしてきます。それがやがて怒りになって爆発します。
第一感情が『不安』や『心配』『悲しみ』
それによって生まれたのが第二感情なのです。
怒りというものは、『不安』『心配』『悲しみ』が形を変えて出て来た感情ということなのです。
●よく怒る人や不機嫌な人の心理とは?
よく怒る人っていますよね。またはいつも不機嫌な人。
こういう人って心の奥にいつも『不安』『心配』『悲しみ』『自分をもっと良く評価してほしい』『もっと愛してほしい』といった気持ちがいっぱい入っている人です。
ただそれを意識してはいません。むしろ意識しないように、認めないように目をそらしているといってもいいかも知れません。
怒りが第二感情というのは、第二感情というのは認めたくない・認められない感情であり、認めたくないがためにその感情にフタをしてしまうのです。
でも本心は『不安』『心配』『悲しみ』『自分をもっと良く評価してほしい』『もっと愛してほしい』といった気持ちが心の中にいっぱいつまっています。
でもそれが満たされない。満たされないがゆえに、実にたやすく怒りという型になって爆発するのです。
●怒らない技術
怒りという感情は、自分が認めたくない感情ですから、どうしても怒りを抑え込み、我慢しようとします。
しかしその怒りを我慢しているとどうなるかというと、怒りは外に向かわない代わりに内に、つまり自分自身を攻撃するようになります。
怒りを我慢し抑圧することで、身心に異常が出てくることもあります。
その一つがうつ病であり、また内臓疾患や腰痛などに現れる場合もあります。
そうならないためには、怒らない技術を身に着ける必要があります。
その一つが、認めたくない感情が自分の心にあることを認める努力をすること!
脳科学的にいいますと、怒りとか不安をつかさどる部分が扁桃体というところです。うつ病になるとこの扁桃体が過剰に働きときには穴があくことすらあるそうです。
扁桃体が活発になると、ストレスホルモンを出し、人間の理性や良識をつかさどっている前頭前野が働かなくなるなります。これがひどくなると、不安感が起りもっとひどくなるとうつ病になるそうです。
しかし脳の部位としては、前頭前野のほう支配力が強いため冷静に不安や怒りについて考えると、前頭前野が扁桃体に介入し、不安や怒りを鎮めることができるといいます。
前頭前野は、脳の中でも最もよく発達した脳部位で、人間を人間たらしめ、思考や創造性を担う脳の最高中枢であり、もっとも遅く成熟する脳であると言われています。
どういうことかいいますと、もっとも前頭前野が未発達なのは赤ちゃんということになります。
赤ちゃんは周りの事情などよく考えずに感情を爆発させますよね。ちょっと不満があれば泣きわめきます。
これはまだ前頭前野が未熟なため。つまりしょっちゅう怒っている人は、そのとき前頭前野があまり働いておらず、赤ちゃん返りをしているともいえます。
怒らない技術とは、前頭前野を使い、冷静になって怒りや不安の原因や意味を考え、怒りの原因である認めたくない自分の感情、『不安』『心配』『悲しみ』『自分をもっと良く評価してほしい』『もっと愛してほしい』といったことを認め、そのような感情を抑え込むのではなく沈静化し、解消の方向にもっていくことです。
怒りを持っている人とは傷ついている人です。
怒りを持っている人は寂しく悲しい人です。
怒りを持っている人はとても弱い人なのです。
もし自分の心に怒りがあると思う人はその怒りを認めることです。
自分が傷ついていることを、自分が寂しく思っていることを、不安や弱さのために怯えていることを認めることです。
他者に怒りをぶつけるのではなく、いきなり爆発させるのではなく、不満があればそれを相手に伝えること。不安があればそれはどうすれば軽減できるのかを問い、なんとかなりそうなら実行し、どうにもならないなら受け入れることです。
怒りの正体は不安や自分の弱さに怯えている自分であったりします。怒りは抑圧すると自分を傷つけ、他者に向けると他者を傷つけます。前頭前野を使ってうまくコントロールしてほしいものですね。
(参考 引用:怒りが爆発する心理…怒りの下にある意外すぎる本当の感情とは?)
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)