統合失調症とは?
●統合失調症は100人に1人がなる病気
統合失調症という病気があります。100人に1人がかかる病気なのですが、どうも誤解が多い病気でもあります。
統合失調症は、、脳のネットワークがうまく働かなくなり、そのため、感情や思考を統合(まとめること)を失調してしまう病気です。
脳のネットワークがうまく働かないつながらないため、幻聴や妄想が起るのが特徴で、多く見られる症状は次のようなものだそうです・
・誰かに見られている。
・家のなかにいても外から見張られている。
・盗聴されている。
・悪口を言われている。
こういった症状はうつ病や不安障害の人にもある程度あるそうなのですが、うつ病や不安障害の場合「そんな気がする」程度なのに対して、統合失調症だと、そうした事実がないのに確信しているのが統合失調症の特徴だそうです。
●統合失調症の幻覚とは?
もうひとつの統合失調症の特徴としては、妄想があります。
幻覚の中でも特に多いのが「幻聴」で、多くの場合が悪口であるそうです。
YouTubeに統合失調症患者の幻聴や幻覚がどのように現れるかを体験できる装置が紹介されていました。
この動画のように、幻聴が聞こえてきたㇼすると、とても相手の話しを理解したりすることはできませんね。
他にも統合失調症は、物事を考えたり、行動することに障害がでるそうです。
自分の考えをまとめられず、突拍子もないことを言いだしたり、動けなくなったㇼ、意味もなく笑いだしたりすることもあるようですね。
わたしの友人が統合失調症になったときのお話しです。ある日、その人から電話がかかってきました。そして
「誰かに見張られているんです。それに盗聴もされているんです。外にいつも黒い車があって・・・」とか、「見張っているのはCIAです」と言い切ったりしていました。
話に奇妙なところが多々あり、現実ではありえないことを主張します。
当時、私は精神障害への知識がありませんでしたが、これはおかしいと思える内容でした。
何度か電話があり、そして数日後に共通の友人に対して「あなたが犯人だ」「あなたは私を殺そうとしているでしょう!」と、いう電話がかかるようになり、中には脅迫まがいな電話もあったといいます。
友人は怖くなって、その人と付き合いを断ち、よほど怖かったのでしょう。他府県に引っ越していきました。
そこでその人の親御さんに連絡し「病院に連れて行った方がいいのではないか?」と、お話ししたことがあります。親御さんは「またか・・・」といった対応であったことを覚えています。
●ひきこもりと統合失調症
上記のような幻覚、妄想などの症状を「陽性症状」といいます。対して「陰性症状」というものもあり、喜怒哀楽の表現が乏しくなって自分の感情を感じにくくなったㇼ、他者の感情表現に共感することも少なくなってしまったりして、自分にも他人にも無関心になることもあるそうです。
さらに行動の意欲もなくなり、相手の言う言葉の意味が理解できないなったりし、無口になることもあるようです。
以前、日本でひきこもりが社会問題になりはじめた頃、海外ではひきこもりという状態が理解されず、欧米の精神科医からは「それは統合失調症なのではないか?」と言われていた時代があります。
実際、統合失調症の陰性症状では、入浴や着替えもしなくなり、家族とも会話をせず家にひきこもったままになることがあるそうです。
●統合失調症患者のその後
『こころの健康情報局』によりますと、リハビリをした人の約30年後の状態は
・過去1年に入院していない :82%
・週1、2回は友達と会っている :61%
・一人以上親友といえる人がいる :68%
・過去1年間に働いた経験がある :40%
・ほとんど症状が消失している :68%
・充実した生活を送っている :73%
と、多くの方が元気にくらしているようです。私の友人にも何人かこの病気を抱えている人がいますが、他の友人と変わらず付き合いをしております。
この病気はとかく誤解が多い病気ですが、ちゃんと治療を受けていくと、多くの方が普通の生活をしています。
例えば人気コメディアンのハウス加賀谷さんは統合失調症悪化により、1999年活動休止しましたが、その後入院生活を経て症状を劇的に改善させた加賀谷は、現在では復帰しています。
(ちなみにこの本の担当編集者は、偶然ながら私の友人であったりします(笑))
この病気の理解を深め、そしてこの病気を抱えている人が元気でいることを望みます。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)