心が傷ついたら、まずゆっくりと眠ろう!


●心が傷ついたときにもっとも効果的なのが睡眠!

 有名な精神科医である中井久夫氏の著書『精神科医がものを書くとき』によると「睡眠がしっかりしているうちは精神病は起りません」と言い切っています。


 また同氏は著書『精神科治療の覚書』の中で「統合失調症の発病前には必ずといっていいほど睡眠障害がある。統合失調症から回復した人が不眠に気をつけて再発せずに済んでいる場合も少なくない」とも。


 統合失調症に限らず、うつ病患者のほとんどが不眠に悩まされていることは周知の事実。若い頃に不眠を経験したことがある人は、その後うつ病になりやすいという研究結果もあります。


 また、『「心の傷を治すのは時間ではなく睡眠」 レム睡眠中夢を見ることで心を癒す効果が検証される(米研究)』では、米国カリフォルニア大学神経科学者マシュー・ウォーカー氏が「睡眠に多くの重要な働きがあるがその一つが、心の健康を維持しやすくするという働きなのだ」と言っています。


 どうやら心の健康にもっとも効果的なのが睡眠であり、心が傷ついたときこそ【よく寝る努力】をしたほうがよさそうです。




●心の傷やストレス、不安が不眠を呼び込む

 厚生労働省によると、日本人は継続的に5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」、「 何らかの不眠がある」と回答、さらに60代を過ぎると3人に1人が睡眠の問題があり、不眠で悩んでいる人の20人に1人は医療機関から睡眠薬をもらっているとのことです。


 睡眠障害の大きな原因が、ストレスであり心の傷。さらに不安や抑うつ(気分の落ち込み、わけもなく悲しい、生きる希望がないといった感情)です。


 つまり傷ついたときやストレスを抱えているときほど、本当に睡眠が必要なときなのに、そういうときこそ不眠におちいりやすいということ!


 逆にいえば、傷ついたときやストレスを抱えたり、不安であるときほど、睡眠が効くということです。


 もし何か傷ついたこと、不安なこと、ストレスを感じたりしたときは、まず眠るようにしてください。


 睡眠は心を癒すための、最良の薬です。


 疲れを感じたらまず眠ること!


 傷ついたと思ったらまず眠ること!


 もしどうしても眠れない日が続くようならかかりつけのお医者さんに相談して、睡眠導入剤を利用するのもいい手ですよ。