人間はなぜうつ病になるのか?

うつ病はもっとも悲しい病気のひとつ

 私は、すべての病気はつらく悲しいものですが、その中でもうつ病は、もっともつらく悲しい病気の一つであると思っています。

 なぜならうつ病は自殺率が15〜25%と大変高く、死にたくなるほどつらいにも関わらず人に伝わり難く、甘えや怠けと誤解されてしまうこと。

 うつ病になると、被害者意識が強くなり、ときに被害妄想にまでなり、他人を疑い、嫌味なことをいったり攻撃してしまったりするため、人に嫌われてしまう場合もあります。


 これまでうつ病は「心の病」と言われてきましたが、最近ではは「脳と精神と身体の全身性疾患」と言われるようになってきています。


 特に脳ですが、うつ病の原因の大きなものとしてストレスがあります。


 人間や哺乳類はもちろん、魚類などでも長時間ストレスにさらされると、うつ病的な状態になることが知られています。

 人間はストレスや恐怖、不安にさらされると、脳の扁桃体というところが強く活動します。

 扁桃体は、敵がやってくると危険を察知し活動、このときストレスホルモンが分泌され全身の筋肉が活性化します。

 しかしこのストレスホルモンがたくさん出ると、うつ状態になります。


 さらにストレスホルモン過剰が続くと、脳にダメージを与えてしまいます。

 これは過剰ストレスホルモンが脳に行くと、神経細胞に必要な栄養が少なくなり、やがて脳の神経細胞が縮んでしまうのです。

 つまり脳萎縮が起こってしまうのです。

 あまり知られていませんが、うつ病がひどくなると、脳委縮が起きてしまうのです。




●恐怖や不安、ストレスとなる記憶は生き残るために忘れにくく、皮肉にもうつ病の原因となる

 魚ですらストレスを与え続けるとうつ状態になると書きました。

 当然、もっと高度な哺乳類はうつ病になります。さらにいうと人間はもっともうつ病になりやすい動物です。

 社会性が強い動物は、仲間から隔離されると孤独から不安や恐怖を持ちやすく、それがストレスになりうつ病になりやすくなります。


 また人間は他の動物よりも記憶力がいいと考えられるのですが、特に恐怖や不安となる事柄、嫌なことがら、衝撃的な事柄は、なかなか忘れません。

 なぜかというと、肉体的に弱い動物である人間が持っている生き残るための武器が、記憶力だからです。


 どういうことかというと、原始時代人間は、危険な場所、危険は動物や危険は敵がいる場所を記憶することで、その場所に行かないという風に、危険から逃れてきました。

 危険な場所に行けば命が危ない。過去にあった失敗や、恐ろしい目にあった経験は、生き残るために忘れないのです。

 しかしその記憶は、脳の扁桃体を刺激し、ストレスとなりうつ病の原因になってしまうようになったのです。



●人類は言葉や文字を持つことでよりよりうつ病になりやすくなった

 さらに人間は、他の動物と違い言葉を使うことで、濃密なコミュニケーションができますが、その言葉を使うことで、自分の経験を人に話したり、他人の経験を自分の知識として取り入れたりできます。


 つまり自分の言葉や他人の言葉によってストレスを感じるように進化してきたのです。

 もちろん、人類は言葉を使うことによって、生き残りに有利になることができました。

 しかし、それは同時に、他人の恐怖や不安を共有し、その影響でうつ病によりなりやすくなったのです。

 さらに私たちは、文字を獲得することで、見ず知らずの人の不安や恐怖まで、まるで経験したがごとく感じることができるようになりました。


 それは人類にとっては素晴らしい進歩ではありましたが、同時にまたよりうつ病になりやすくなってしまったということでもあります。


 さらに、ネット社会では、不安や恐怖の情報、つまりネガティブ情報がこれまでにないくらい大量に出回るようになりました。


 いま人類はこれまでで最高にうつ病になりやすい状態にあるといっても過言ではありません。



●ネガティブ情報を避けなさい!

 不安や恐怖を喚起するネガティブ情報は、人類がまだお猿の時代から、生き残りをかけて大変重要なものでした。

 そのおかげで人類は生き残ってこれたといってもいいでしょう。


 しかし、いまの時代、ネガティブ情報が多すぎます。


 それも、そのほとんどがデマや噂のレベルであり、いまあなたを不幸にするような情報はまず、滅多にないといってもいいでsひょう。


 例えば最近ですと、「近頃の少年犯罪は年々凶悪化している」などといった言説をよく見ますが、実質は特に悪くなっているわけではありません。


 
 しかしメディアは、人々が不安や恐怖をあおるネガティブ情報に引きつけられるのを知っていますので、少しでも儲けようとこれでもかとネガティブ情報を出してきます。


 それを見て、多くの人はマスコミの煽られ、不安になり恐怖を覚え、時に絶望的にすらなります。


 マスコミの煽りを信じ、他人を信じられなくなり孤独になり、このままではダメだと競争に必死になりますが、それもまたうつ病の原因となります。


 ネガティブ情報のほとんどは、実のところデマかあなたには関係ないものがほとんどです。


 そんなネガティブ情報は避けて、うつ病にならないようにし、我々は我々の幸せのために邁進していきたいものです。

 






FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)拝



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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

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