怒りやコンプレックスとの付き合い方



●生きづらさを抱えた人は心に怒りを隠している

生きづらさを抱えた人、不登校・ひきこもり・ニートの人ほど、一見すると優しそうであったり、内気であったりしますが、その実、心の奥底にはドロドロとした怒りを隠し持っているものです。


その怒りの原因は、悲しみであり、コンプレックスであり、親や世間への怨みであり、ふがいない自分自身であったりします。



「喜怒哀楽」というように、怒りは人間の基本的な感情の一つであり、怒りの感情を持たない人は、誰一人としていません。



しかし、生きづらさを抱えた人、不登校・ひきこもり・ニートの人は、その怒りはもちろんのこと、基本的感情である喜怒哀楽との付き合い方があまり上手ではないのです。



その理由は、自己肯定感・自尊感情の低さ。これは、「自分なんかが、何かをやったら、人に迷惑になるのでは?」という思いと同時に「親が社会・世間が悪いから、私は上手くいかないのだ」という自己否定・自己嫌悪・自信のなさから自分を責める気持ちと、自分が悪いんじゃない、悪いは周囲という他を攻撃したいという矛盾した気持ちが同居しており、そのため自分の感情を素直に出すことができません。


そのため、人を会うのが苦手となり内気になったり、本当の自分を出せず偽りの優しさをまとうことで、自分を守ろうとしているのです。



●怒りやコンプレックスを行動のキッカケにするのはいい、しかし・・・

たまに芸術家や作家で、怒りやコンプレックスを作品を作る原動力にする人がいます。


別に芸術家や作家でなくても、何か行動をするキッカケとして、怒りやコンプレックスを原動力にして、成功する人もいます。


しかし、それはあくまでも、はじめの原動力でとどめておくのが理想でしょう。と、いうのは、最初の原動力が怒りやコンプレックスとして、5年、10年たっても怒りやコンプレックスを抱えたままというのは、それではいつまでたっても、腹立ちも劣等感もおさまっておらず、解決もしていないということ。そんな状態で長く続けていくと、どこかで疲れ果ててしまったり、精神的に歪んでくるものです。



怒りというのは、思い通りにいかなかったり、不愉快な思いをさせられたときに湧き上がってくる防衛のための攻撃感情です。それがいつまでたってもおさまらないというのは、つまり嫌な感情をいつまでも持ち続けているということで、決していいことではありません。




●怒りもコンプレックスも思考習慣であり癖である

それに怒りやコンプレックスというのは、一種の思考習慣、考え方の癖であったりもします。


例えば、何かを言われてカッとして人を殺してしまうという人は、ほとんどいません。


人を殺す前に、すでに相当な不満や怒りを心の中にためこみ、脳内で何度も殺す想像を繰り返しているとき、何かのキッカケで殺してしまうのがほとんど。


カッとなって人を殴る場合も、こういう場合は殴るという思考習慣や癖が、すでに脳内にあるものなのです。


「カッとなってやった」と、ほとんどの殺人者やDVを行う人はいいますが、それ以前に「カッとなって殺す」「カッとなって殴る」「思わず怒鳴りつける」といったことも、すでに脳内で習慣化・癖化している場合がほとんどなのです。


コンプレックスも同じで、「自分はこういう劣等感がある」という考え方が脳内で習慣化してしまっているのです。さらに多くの人が「私は何をやってもダメに決まっている」「私は●●が苦手」という考え方を、自分自身で何度も繰り返して覚え込ませているのです。



●怒りやコンプレックスとの付き合い方

習慣や癖というものは、なかなか直りませんよね。特に脳内での思考習慣を無理やり直そうというのは、ちょっと無理があるもの。


だからこそ、よく言われるところの「あるがままの自分を認める」ということが重要になってきます。


「私は、心の奥底に怒りが棲んでいる」「私は、こういうコンプレックスがある」ということを素直に認めるのです。


怒りに関しては「防御的攻撃」なので、自分の怒りを肯定するとともに、「私は何を怖れているのか?」「なぜ攻撃をしたがるのか?」というのを冷静になって考えてみましょう。


ことわざにある「弱い犬ほどよく吠える」というのは本当で、怖れや不安、悲しみが怒りへと変化します


逆にいえば、自信がある人ほど、怒りを感じることが少ないのです。


コンプレックスもしかりで、コンプレックスを認め、「私にはこういうコンプレックスがあるけど、あるものは仕方ない。ま、それでもいいじゃないか」と、思考習慣を少しずつ変えることで、コンプレックスのために、余計なひがみやいじけ、対人に対する引け目も薄くなってきます。



怒りもコンプレックスも完全に消す必要はありません。どちらも生きるのに必要なものなのです。


ただ、怒りは自分も周囲もいや〜な気分にさせるため、ささいなことで腹をたてるのは損!


ささいなことで、不機嫌でいるより軽くスルーして、上機嫌でいる習慣を身につけたほうがお得でしょう。



後は怒りやコンプレックスと上手に付き合うだけで、生きることがずいぶん楽になるはずです。







FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)

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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

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