体罰・言葉の暴力は、いじめ、虐待、DVと同じである


体罰が必要と思っているスポーツマンは8割

プロ野球選手の桑田真澄さんが、2009年、プロ野球選手と東京六大学の野球部員550人を対象に行ったアンケートでは「体罰は必要」「ときとして必要」という回答が83%に達したといいます。


つまりほとんどの野球選手、野球は日本でもっとも人気のあるスポーツですから、ほとんどのスポーツマンは「子どもをスポーツで鍛えるためには、体罰は必要」と考えているといっているのかも知れません。


大阪でバスケットボールの強豪校のバスケ部主将が、昨年12月に自殺し大事件となりました。


しかし、その報道をしているコメンテーターからですら、いう言葉に次のようなものがありました。


「愛のある体罰ならOK」


そして、次のようなことをいう人も、たくさんいます。


体罰はダメだっていうけど、実際いまの先生は体罰禁止で大変だよね。体罰をしないから、子どもたちが図にのって反抗するんだよ、そんなもの我々が若い頃だったら、先生がバンバン体罰をしてたから、我々は先生のいうことを聞いていたんだ。もういうことを聞かないガキはバンバン叩いて、言うことを聞かせればいいんだよ、体罰は指導だし教育の一環だよ」



 もし体罰をすることで、子どもや若い人がいうことを聞いているとすれば、それは単純に“暴力支配・恐怖支配”をしているにすぎません。


 それは、実際に手を出さなくても、言葉の暴力でも同じことです。



体罰とはただの暴力支配・恐怖支配である


体罰によって人にいうことを命令に背かないようにするということは、単純に暴力支配、恐怖支配をしているに過ぎません。


つまり、先ほどの「体罰は指導だし教育の一環」といっている人は、暴力支配や恐怖支配を支持しているとさえいえるでしょう。



考えてもみてください。大人社会で、上司が部下に殴る蹴るをやって支配しようとしたら、その上司はたちまち暴行犯として捕まってしまうことでしょう。


もしそのことが報道されたら、その上司は「部下に対して指導熱心な上司」として、人々から尊敬を集めることになるのでしょうか?




それとも、相手が子どもであるときに限り、体罰は有効な教育なのでしょうか?



答えは簡単で、暴力では、スポーツ技術も学力も伸びにくく、そこに本来あるべき「技術や体力を伸ばすよろこび」も「学ぶよろこび」もありません。暴力や虐待を恐れて、やらされているだけにしか過ぎません。


スポーツのよろこびも学ぶよろこびも教えることができない指導を、教育とは呼べません。これはスポーツ以外の教育でも同じことがいえます。



 また大人の世界では、実際に体罰を行うことは少ないかも知れませんが、それが言葉の暴力であったとしても、同じです。


 言葉の暴力を使って、下の者が言うことを聞いたとしても、言葉の暴力を行う人は尊敬されませんし、効果は薄いのです。そしてそのような人は、単純に指導力不足であるということを自分で現してしまっているといえるでしょう。



●愛があればドメスティックバイオレンスもOK?

体罰」というものは、力を持っている者が、逆らえない相手に行うものです。


 運動部の顧問や指導者が、「もし逆らえばレギュラーにしない」とか、スポーツの強豪校なら「進学や就職に影響する」という人質ともいえる強力なカードを持っているような状態で、児童生徒に【体罰という名の暴力】を加えます。


 親であれば、子どもは親から見離されると生きることができません。そんな状態の中で親は子どもを【体罰という名の虐待】を繰り返します。



 それは、繰り返される男による女への暴力や、家庭内暴力もしかり。

 すべて、殴る側は相手が逆らってこないという状態のときに行われるのです。


 もし「愛のある体罰ならOK」という人に聞きたいものです。





「愛のあるDV(ドメスティックバイオレンス)」はOKなのでしょうか?






 粗野な男の中には「女なんて無理やりイッパツやってしまえば、いうことを聞くようになる」などというバカがたまにいたりしますが、「愛があれば体罰OK」という人は「愛があればレイプもOK」といっている人と同じです。



体罰を受けて育った人は、また体罰を繰り返す



 女を殴る男も、子どもを虐待する親も、親を殴る子どもも、いじめ加害者にもそれぞれに(自分勝手な)言い分や大義名分があります。



 それは「いうことを聞かないから」「しつめのため」「教育の一環」すべて「おまえのため」や「相手が悪いから」というもので、体罰や虐待は行われるのです。



 つまりは体罰も、いじめも、虐待もDVも、根は同じなのです。



 そして、体罰や暴力を受けて育つと、本人たちも自ら体罰や虐待を行う側になる場合がとても高くなります。



 これは、かつて親から虐待を受けていた人が大人になって、我が子を虐待してしまう確立が高い理由と同じであると考えられます。







FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)


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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

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