ろくでなし社会学3 ニート・ひきこもりの高齢化により親が潰れる

ニート・ひきこもりの親が高齢化
 前回、
・ 東京都の調査によると、もっともひきこもりが多い年代は30代前半。
・ ただし調べているのは30代前半までであるため、現実には30代後半以上のひきこもりがもっとも多いと推測できること。
・ ひきこもりと類似しているニートも同様と推測できる。

 といったことを述べました。

 現実として40歳前後までほとんど就業経験が無い人や社会的訓練がなされてない人に、いきなり正業に就けといっても難しいものです。

 また雇う側にしても、「ちょっと……」と、いうのが現実でありましょう。

 40歳前後といえば、80年代から90年代の不登校が社会的に注目されたファースト世代。

 全国引きこもりKHJ親の会の調査【「引きこもり」の実態に関する調査報告書7】によりますと、ひきこもりの不登校経験者は約50%!


 これ、不登校の子どもを持つ親にとっては、ちょっとシャレにならない数値です。
(ただしこの調査において40代はそれほど多くはありません。おそらく調査に答えた人たちの年齢によるのだと思われます)

 そしていま40代のひきこもりは、このままだと、5年後には40歳の人は45歳に。さらにその5年後は50歳になります。

 ひきこもりを支えているのは親ですが、40歳の子どもの親なら70歳くらいでしょうか?

 50歳の子どもの親なら80歳くらいでしょうか?


 10代・20代の頃のひきこもりなら「いつか出てくると子どもを信じて待つ」という方法でも、まだ余裕があったかも知れませんが、親の年齢が70歳・80歳になるとそうもいっていられません。

 子どもが「いるか出てくる」と信じていても、それより早く親が働けなくなり、あるいは寿命が尽きてしまうかも知れません。


●家族たけで抱え込まな
そのため、できるだけ早いうちに、何らかの方法で援助や支援を求めたほうがいいでしょう。

 これは高齢化したひきこもりの家族だけではなく、すべてのひきこもりを抱えた家族にいえることです。

 ひきこもりを治すために必要なことは、「家の中で安心してひきこもりできるようにする」ことなのですが、ただそれだけだと、ひきこもりが長期化する可能性があるのです。

 そのため、ひきこもり当人が「安心できる場所」としての家庭を与えると同時に、家族だけで悩まずに、いろいろな人に助けや支援を求めたほうがいいのです


 特にニートやひきこもりが長期化した子どもを持つ家庭の場合、子どもニートやひきこもりが日常化してしまい、援助や支援を求めることにより家に波風が立つことを避ける傾向があります。

 つまり「きょうのような(波風がたたない)明日がまた来る」という毎日を過ごしている場合がとても多いのです。

 しかし、1日過ぎれば私たちの寿命は1日縮まり、1日分老化が進みます。

 そして確実に、いつか子どもの面倒を見られなく日が来るのです。

 ひきこもりの人は、精神の病気や障害と抱えていることも少なくありません。長期のひきこもり者に関しては、かなりの確立で心の病気や障害が多いともいいます。

 そういう方でも、生活が困難な心の病気であると証明されると、公的福祉サービスが受けられます。

 心あたりのある方は、精神科や保健所、保険センターなどに相談してみてはいかがでしょうか?


 またニートやひきこもりの子どものために、年金や生活保護なども考えておいたほうがいいでしょう。

 また親御さんに資産がある場合、財産分与のことをいまのうちに考えておいたほうがいいでしょう。

 また、やがて親自身の介護の問題もでてきます。これも重要なこと。心配な方は、いまからいろいろと対策を練っておきましょう。


 親がいなくなった後、ニートやひきこもりの子どもは1人で生きていかなくてはなりません。

 ニートやひきこもりの人が、自分で掃除をしたり、自炊ができるのかという問題さえ出てきます。

 ニート・ひきこもりの高齢化は、同時に親の高齢化でもあり、これは本当に、いま目の前の問題でもあるのです。


 また放っておいてよくなる問題でもありません。1日も早く相談機関に相談をして、対策をとっていただきたいものです。


●まとめ
ニート・ひきこもりの親の高齢化が現実問題としてあります。
・ 親が亡くなった後、ニートやひきこもり本人の年金や生活保護での生活や、財産分与も視野にいれて考えておく必要があります。
・ 家族だけで抱え込まず、早めに医師や相談機関に相談してみることをオススメします。





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巨椋修(おぐらおさむ)拝




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