親の呪縛 子の呪縛


不登校・ひきこもり・ニート』の人、その親たちと会ってきて思うことがあります。



彼らの多くは、『親の呪縛』にあっている。

彼らの親たちも、その『親の呪縛』にあっている。



ここでいう『親の呪縛』とは何か?

『親の価値観』のことである。

これは『社会の価値観』でもある。



『社会の価値観』とは何か?


わたし達の社会、特に日本社会の風俗、常識、生活様式が持つ無意識の価値観のことと言ってもいい。


この無意識の価値観とはどのようなものか?


「個性よりも平等重視」


であり


「出る杭は打たれる」


であり

もっとわかりやすく言えば

「みんな一緒」

「〜でなければならない」

「人と違ったことをやってはならない」


といった精神風土のことであります。


この精神風土が、日本人はとりわけ強い。

一種、病的といっていいほどに強い。


日本人独特の病気として、対人恐怖症というのがあり、『不登校・ひきこもり・ニート』の多くがこの症状に悩んでいるんです。


対人恐怖症が、なぜ日本のみというくらいに多いのかというと、日本の精神風土である、「恥の文化」と深く関係していると言われています。


つまり


「そんな恥ずかしいことをしてはならない」


「それは我が家、我が校、我が町の恥である」



そんな精神。


この精神は、謙虚、謙譲などの美風も生むが、反面、独自の考え行動を規制し、『不登校・ひきこもり・ニート』を生み、人々を呪縛する。


この呪縛は、人間の幅をひどく狭くして、狭い価値観を生み、最悪では人を殺す。



例えば、この呪縛に憑かれると【たかが子どもが学校に行かないというだけ】で、取り乱し家庭が荒れる。


たかだか子どもが学校に行けないという程度のことで、子どもの将来がまったく閉ざされたと信じ込む。


世間体を気にするから、相談機関に打ち明けることも、“恥”と感じて最悪の状態になるまで、隠そうとする。


これは、小さな価値観、一面的な価値観に縛られているから応用が利かなくなってしまっているといえるでしょう。


相手が子どもである場合、親の価値観、社会の価値観が、子どもを呪縛して、子どもが行動できないくらいに縛り上げる。



※ちなみに自分が【恥】と思っていることは、傍からみているとさほどのことではなく、ほとんど自分の空回りであることが多かったりします。



もうそういった狭い価値観に縛られるのは、やめませんか。

人間は多面性をもった生き物なんです。


学校なら、いまはほとんど学校に行かなくても、義務教育は卒業させてくれます。

高校や大学なら、まったく学力がなくても受け入れてくれる学校はたくさんあります。


でも、本当の問題は、子どもの学歴じゃないでしょう。


そういうお子さんは、おそらく親の価値観、社会の価値観に呪縛されて、人と上手につきあっていくことができなってしまっていることでしょう。


できれば、まず親御さんが自らの呪縛を解いてほしい。


子どもの呪縛を解いてあげてほしい。


それを解く秘訣は、笑顔と愛情、そして寛容の精神と応用力だと思います。




FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)