責任論(ひきこもり・ニート編)


せきにん 【責任】


(1)自分が引き受けて行わなければならない任務。義務。
「―を果たす」「保護者としての―」

(2)自分がかかわった事柄や行為から生じた結果に対して負う義務や償い。
「―をとって辞職する」「だれの―でもない」「―の所在」「―転嫁」

(3)〔法〕 法律上の不利益または制裁を負わされること。狭義では、違法な行為をした者に対する法的な制裁。民事責任と刑事責任とがある。

三省堂提供「大辞林 第二版」より




さて、また何をもって『ひきこもり・ニート』と定義するかを決めておきましょうか。


『ひきこもり』は、【6ヶ月以上自宅にひきこもって社会参加しない状態が持続しており、ほかの精神障害がその第一の原因とは考えにくいもの】


ニート』は、【労働をしておらず、学校等の教育を受けていない15歳〜35歳前後の若年無業者】と定義しておきましょう。



さて、前回わたしは『不登校』については、当人も親も学校も社会も行政・政治も、特に責任はないといいました。



では『ひきこもり・ニート』に関してはどうか……


わたしは、それぞれすべてに、それなりの責任があると思っています。


自分の子どもに一番影響を与えているのは親でです。


しかし、子どもは少しずつ親の影響下を離れ、一人前になっていくわけですから、例え家業を子どもが継ぐような場合でも、親は“子離れ”をしなければなりません。


責任というのは、


(2)自分がかかわった事柄や行為から生じた結果に対して負う義務や償い。


ですから、親は子どもに対して責任がありますが、子どもが段々と成人に近づくにつれ、その責任は薄くなってきます。


いつまでも「我が子の行動には親が全責任を持つ」という考えでは、子どもは永遠に一人前になれませんので、全責任を負う必要はないと思います。


ただ、子どもをひとり立ちできるように導いてあげるというのは、親の仕事であろうとも思います。


社会や行政・政治にも、ある程度の責任はあります。



『ひきこもり・ニート』のほとんどは「ひきこもりやニートでいいや」と思っている人は少数派なんですね。


ほとんどが「ひきこもりたくないのにひきこもっている」


ほとんどが「働きたいので働けないでいる」


というのが実情であったりします。


働きたいのに、仕事がないとすれば……


それは、行政や政治にもある程度の責任があります。


景気の動向は、政治の判断で大きく左右されますので、「働きたいのに働けない」、つまり失業者が多くでてしまうというのは、政治や行政の失策である可能性があるからです。


では、当人の責任はどうでしょう?


世の中には、当人にはまったく責任がない。悪いのは政治であり社会であると断言する人もいます。


しかし本人が本人である限り、自分という人間を無視するわけには行きません。


例えば、社会が大不況で仕事がまったくなくても、本人が「オレのせいじゃないよ」といって、まったく何もしないというのでは、事態は改善されない。


社会や世間が大不況なのは、当人のせいでも当人の責任でもないのかも知れませんが、当人はずっと当人と付き合っていかなくてはならない。


『ひきこもり・ニート』当人がどうするかという意味では、(2)自分がかかわった事柄や行為から生じた結果に対して負う義務や償い。ということで、責任という以上にすべて自分に返ってきます。


ですから結論として、当人にも当然「自分の人生は自分のもの」と思う気持ちがあるとすれば、自分の言動には責任が付随します。




しかしそれにしても“責任論”とは虚しいものです。


【誰に責任があ】ると糾弾するよりも、【いま、自分に何ができるか?】と、考えた方がいいんです。



いま、この一秒は、一秒後に過去になっています。


いまは、そういまは、ほんの一瞬。


一瞬が去ったあとは過去なんです。


次の一瞬をどのように過ごすかは、あなた次第かも知れませんよ。




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