なぜ働かなきゃならないの?


「なぜ働かなきゃならないの?」っていう、質問に対する答えなら、凄くカンタンなんですよ。

働かなきゃならないなんていうことはないんです。

そうすると、必ずこういう人がいます。


「だって食べていかなきゃならないじゃないですか!」


エス・アイ・ドウ。


じゃあ、食べていければ働かなくていいんですね!!



はい、いいんです。

だって、多くの人が言ってるじゃないですか。

「宝クジで、3億円当たったら、会社をやめて、遊んで暮らすよ〜」

人類というものは、食べるため、もっと言えば生きるために働いてきたんです。

だから人類の夢は、働かないで生きていくことだったんです。(笑)


だから、人類はいつも

「王様は、いいなあ働かないで……」

とか、男だったら

「ヒモはいいなあ」

女だったら

「アタシは、お金持ちのお嫁さんになって、なんでもメイドさんにやってもらうような生活がしたいわあ」

なんて言ってきたんです。

だから、「食べていけるのなら働かなくていい」っていうのは、人類の公理みたいなもんなんですよ。(笑)

そこで、するとさらにこんな声が聞こえてきそうです。


食べていければ、それでいいのかよ!



それは、個人個人が考えればいいことです。


例えば、ひきこもり・ニートと言われる人のほとんどは、親というスポンサーがいるわけです。

これは、大金持ちの奥さんが、旦那、亭主というスポンサーがいるのと一緒なわけですから、スポンサーがOKならばそれでよろしい。

ひきこもり・ニートでないにせよ、結構いるでしょ。

“ぼんぼん”とか“お嬢”なんて言われている資産家の子どもで、特に働きもしないで、遊んでいるのが。

でもそれは、他人がとやかく言うことじゃない。

ひきこもりも、ニートも一緒。

他人がとやかくいうことじゃない。


問題は、それで本人や親が困っていたり、不安を持っているかどうかなんです。


で、困っている人がいるから、わたしなどが本を書いたり、映画を撮ったりするわけなんですけど、現代の日本社会というのは、これまでにない豊かな時代で、一昔前まで言われていた、

「食うため、生きるために働く」

という時代じゃなくなっているんです。

生きるためだけなら大して働かなくても、充分、生きていけます。

カンタンに言っちゃうと、これを読んでいるあなたは、生きるために1日いくらのお金を使っていますか?

人にもよりますが、1日なら、家賃、食費、電話代、光熱費とか合わせると、1日5千円くらいあればお釣りがくるかも知れません。

これで、実家や家賃のもっと安いところに住んで節約すれば、2千円以内で済むかもしれません。

すると、わたしは生きていくためだけだと、1日3〜4時間アルバイトで働けばナントカなるということになります。

もしかしたら南の島の人とか、そうれくらいしか働かないで、一生幸せに生きている人もいるかも知れませんね。

じゃあ、なんで日本人は、毎日ストレスを抱えながら、必死に働いているかというと、


生きるため以上の欲望を抱えているからなんですよ。


異性にモテたいとか

生きるため以上の美味しいものを食べたいとか

車が欲しい。

ブランド物の品物が欲しい。

ミエを張りたい。

人よりチョットだけ上の生活をしたい。

あるいは人と同じの生活がしたい。

将来に対する不安を何とかしたい……


なんてね。

現代日本社会は、生きるために働くという社会ではなくなっているんです。

日本人は何千年も、生きるために働くという生活をしてきたわけです。

ところが、日本社会は、これまでになかった豊かに時代になった。

これは、我々が祖先から、ずっと目標にしてきた生活であった。

食べれればいい、生きていればいいという目標は、すでに到達した。

現代日本社会は、昔のようにシャカリキになって働かなくても、とりあえず生きることができるようになった……


いまの若者は、夢や目標がないといいます。

夢や目標は、親や政治家が押し付けるようなものじゃない。

若者に目標は?って聞くと、

「公務員になって、安定した生活することです。それは親の希望でもあるんです」

なんて答えが返ってきます。

親世代の中高年自体が、すでに夢や目標がなくなりつつあるということでもありますね。

そもそも、昔、村落に住んでいた多くの日本人の夢とかって「腹いっぱい白いご飯が食べらたらいいな」くらいで、毎年毎年同じような労働を、村のみんなと同じように繰り返して、気がついたら嫁もらって子どもができて、歳をとって死んでいったわけです。

その人たちは、夢がなくて不幸だったかといえば、決してそんなことはないと思いますよ。

また夢や目標を持って、それを目指して生きていくというのも悪いことではありません。

1年があっという間に過ぎ去っていくように、人の一生もあっという間に過ぎ去ってきます。

そして1日も一生と同じようにあっという間です。

みなさんの1年はいかがでしたか?

ではみなさん、今年1年ありがとうございました。

良いお年を。



FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)