ひきこもりの不登校経験率50%

前回に引き続き、NPO法人全国引きこもりKHJ親の会の調査【「引きこもり」の実態に関する調査報告書7】によりますと


・引きこもり本人の不登校経験
引きこもり本人の50.9%不登校経験のある人がいることが明らかにされました.


引きこもり本人の大半が不登校を経験しており,不登校の時点での早期の対応が引きこもりを予防する上でも有効であると考えられます.

とあります。

なんと、ひきこもり経験者の約半数が不登校経験あり!


さらに、


・引きこもりの初発年齢
引きこもりの初発年齢は,平均19.6歳であり,最大が40歳でした.特に,12歳から
29歳までに引きこもり始める人が87.7%と多く,中学校入学から20代後半までに引き
こもりが始まることがほとんどであると言えます.


中学校入学から20代後半までに引きこもりが始まることがほとんどとありますから、中学や高校の不登校が、最初のつまづきになっていることがうかがえます。


東京都の「ひきこもりの実態等に関する調査」によりますと、ひきこもり状態になったきっかけは


病気が一番多く25%


二番目が不登校で17.9%


この病気がどのような病気かは書かれていませんが、他の調査と合わせて考えてみますと、おそらく精神的な病気が少なからずあると推測できます。

そして東京都の調査によると、三番目が「職場不適応」となっていますから、ほとんどの場合は、対人関係と病気ということになりそうです。


実際にひきこもりやニートになってしまう人たちの多くは、高校や大学を卒業しても、対人関係の不器用さから、仕事を続けることができずにいるという人が多いのです。

また、高校や大学を卒業した人も、その学生・生徒時代に、人間関係づくりがうまくなく、学校には通っているものの、友だちも多く作れず、バイトもあまり続かずという人が多くいるのが実態です。


これらのことから、逆算してみると、ひきこもりやニート予防の観点から、いかに不登校にならないか、不登校から復帰するか、人間関係の作り方を10代のうちに学ぶかということになります。

中学高校といったときは、経済的にも、精神的にも未熟なので、それを導く一番大切なのは、家庭ということになります。


もし、家庭がうまくいっていない場合や、親に頼れない場合、本人が成人してから、あるいは未成年であっても、本人の意思で世の中と立ち向かわざるをえません。


それはとても困難なことなので、信頼できる大人や公共機関などの協力を求めてほしいと思います。


なお、これらの数値は、調査の仕方や統計の取り方で、数値が大きく変わってくることもお含みください。



『FHN放送局』
巨椋修(おぐらおさむ)