不登校問題データ集2
7月5日に行った映画『不登校の真実』の上映前後に、これらのデータからのトークを行いました。
何かに参考になればと思います。
子ども達はなぜ不登校になるのでしょうか?
文部科学省が行った平成18年度の調査によると以下のごとくです。
不登校になるきっかけ
1、友人関係 52.9%
2、生活リズムの乱れ 34.2%
3、勉強が分からない 31.2%
4、先生との関係 26.2%
5、クラブや部活動の友人・先輩との関係 22.8%
6、入学、転校、進級して学校や学級になじめなかった 17.0%
7、病気 14.7%
8、親との関係 14.2%
(※複数回答)
(資料:不 登 校 に 関 す る 実 態 調 査
とあります。ここで何か気づきませんか?
・友人関係
・先生との関係
・クラブや部活動の友人・先輩との関係
・入学、転校、進級して学校や学級になじめなかった
・親との関係
これらすべて人間関係!
どうやら、不登校の人たちは、他人との関係を築くことが苦手なようです。
では、不登校と関係が深いひきこもりになるキッカケはどうでしょう?
ひきこもり群になったきっかけ
1、病気 23.7%
1、職場になじめなかった 23.7%
2、就職活動がうまくいかなかった 20.3%
3、不登校(小学校・中学校・高校) 11.9%
3、人間関係がうまくいかなかった 11.9%
4、大学になじめなかった 6.8%
5、受験に失敗した(高校・大学) 1.7%「
その他 25.4%
ここでも
・職場になじめなかった
・人間関係がうまくいかなかった
・大学になじめなかった
と、人間関係になじめなかったことが出てきます。職場や大学になじめなかったというのも、職場での人間関係がうまく築けなかったという場合も、少なくなさそうに思えます。さらに、ひきこもりの場合、就職や受験の失敗も加わるようです。
これらののデータを観ると、不登校やひきこもり系の人には、人間関係があまりうまくないことが推測できます。
そしてこのままだと、もしまた学校に行っても、就職をしても、人間関係につまづく可能性が高いとも考えられるのです。
また、不登校になった人たちに、「学校以外であれば勉強を続けたいと思っていたか」と聞いたところ
学校以外であれば勉強を続けたいと思っていたか
「思っていた」が41.8%
「思っていなかった」が55.5%
(2013 文部科学省より)
思っていたと答えた人に勉強の方法(複数回答)を尋ねたところ
「教育支援センターに通う(適応指導教室)」 33.3%
「インターネット、FAX、電話などで助言してもらいながら家庭で勉強する」 30.3%
「進学塾など民間の教育機関に通う」 27.5%
(2013 文部科学省より)
思っていなかったと回答した人の理由
「何もやる気がしないから」 32.4%
「勉強がきらいだから」 29.1%
「学校以外で勉強を続けるくらいなら学校に行く」18.0%
(2013 文部科学省より)
学校に行かなかったことをどう思っているか
「行けばよかった」 37.8%
「しかたがなかった」30.8%
「何とも思わない」17.0%
「行かなくてよかった」11.4%
(2013 文部科学省より)
ふむ、「行かなくてよかった」という人が11.4%。実は、「学校にいけばよかった・・・」もしくは「いければよかった・・・」と、考えている人が多いようです。
NPO法人全国引きこもりKHJ親の会の調査「「引きこもり」の実態に関する調査報告書10」によると、ひきこもりの人には
この図をみてもわかるように、12歳くらいから、急激に増え15歳くらいまでは中学不登校、15〜18歳くらいまでは、高校不登校や中退が多いことを示唆しています。
また、引きこもりが始まった時期については、平均年齢は20.1歳、最年少が8歳,最年長が45歳でした。
ひきこもり期間は、平均10.5年。最長が36年でした。
また、2011年3月に発表された【「引きこもり」の実態に関する調査報告書8】によると、ひきこもり全体の40.1%に小中高で不登校経験があったといいます。
ここでも、不登校からひきこもりになってしまう場合が多いことがわかります。
また、文部科学省が15年に発表した「子どもの自殺 実態調査結果」では
※小中高校生の自殺者数は,内閣府・警察庁の統計によれば年間,300件前後。
この調査は自殺した500例から調査したもの。
・学校背景の場合
1、進路問題を抱えていた子供が11・9%
2、不登校または不登校傾向9・9%
3、いじめを除く友人関係の悩み7・9%
精神科の治療歴があるが13・5%
引きこもりがちといった孤立感を 7・5%
独特の性格傾向10・5%
という結果が出ています。
ここでも「不登校または不登校傾向9・9%」という高い率で、不登校の子どもが自殺する率の高さが出ています。
ちなみに、この調査では、「いじめの問題」で自殺した子どもが、2.0%と出ているのですが、これは、教職員や学校が「いじめ」と把握していた場合の数字で、おそらく実際はもっと多いものと考えられます。
いじめというものは、当たり前ですが、教職員や親などから、隠れて行われ、また被害者も教職員や親に打ち明けにくいものであるからです。
さて、不登校問題のデータについてまとめてみました。
今回は、特に意見をいうのは、これまでにします。
これらのデータから、何か問題解決のヒントになればと思うばかりです。
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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。
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