不登校と病気


まず最初に言っておくべきことは、『不登校・ひきこもり』ただの呼び名であったり状態であって、病気のことではないということです。


しかし不登校の裏側に、精神病や神経症のような『心の病』や脳の病気、身体の病気と関係があることも多く、ひきこもりが長期化すると、なんらかの病気があると考えられることも多くあるのも事実です。

だからこそ、『不登校・ひきこもり』の問題に関して、多くの精神科医臨床心理士が関わり、著書などが多くあったりするのでしょう。


わたしがこれまで関わった中から見てみると、『不登校・ひきこもり・ニート』の人の中には、社会不安障害パニック障害など各種の恐怖症や障害、パーソナナリティ(人格)障害、アルコールなど各種の依存症、摂食障害や、軽い知的障害や注意欠陥多動障害、うつ病などに悩んでいる人などがいます。

他にも、10代の人の3割がかかるといわれており、不登校の人の4割がそうであるといわれている『起立性調節障害』といって、朝起きれない病気であることや、まじめな良い子で、がんばりやさんほどかかるという『小児型慢性疲労症候群』である場合も多いようです。


起立性調節障害慢性疲労症候群の場合、母親と子どもがまじめで、がんばればがんばるほど、

「わたしがダメだから……」

逆にうまく行かなくなり、親子の自己肯定感が低くなってしまったりしてしまい、その自己肯定感の低さから、対人恐怖症やうつ病になってしまうこともあります。


さらに10代、20代のときに、これらの状態や症状が出なかったのに、大人になってからそれらのストレスが、病気という形や、ひきこもりという形で出てくるという人もいるます。


そしてこういった状態や症状に悩む人も、人前では大変明るく元気に振舞って、知らずに見ていると、むしろ「元気な人」と映る時が多かったりします。


しかし、1対1でお話しを聞いたりすると、いろいろな悩みや苦しみ、家庭や親族関係、仕事などの人間関係にとても大きなストレスを感じていたり、罪悪感、自責の念を感じている人もいらっしゃるようです。


そういった場合、できるなら、個々の人でも『居場所』『フリースペース』といった支援団体や、精神医療などとつながりがあった方がいいと思います。


もっとも、ご本人が嫌なら無理をするのはよくありません。


そこらへんが『不登校・ひきこもり』とかで悩んでいる人の微妙なところで、病気に対する偏見があったり、病気でないことも多いわけですから。


心理相談に関しても、あやしい宗教、おかしな団体がからんでいることもありますので、むやみに頼るのではなく注意が必要な場合もありますね。


わたし個人としては、“霊”“宇宙”“自己啓発”“自己実現”“氣”などを連発する詐欺まがいのところもあるので、少なくともそのようなところはオススメしません。


ちょっとですけど、もの書きとしてそういったところの裏側も知ってますし。


あと、こういった状態や症状の裏側に、借金苦・離婚など医療とはまた別物の問題が隠れている場合もあるので、当事者も支援する人も、弁護士などに相談するという方法もあるということを知っておいた方がいいですね。




不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局代表』
巨椋修(おぐらおさむ)