不登校・ひきこもりになりたくてもなれない人たち


不登校・ひきこもり・ニート』の裏側には、いろいろな問題が隠されています。


家庭不和、家庭内暴力、いじめ、レイプ、将来の不安、神経・精神の障害、経済的な問題……


他に見落としがちなものに


不登校にも、ひきこもりにも、ニートにもなれずに苦しんでいる人たち』


というのがあります。


多くの人は、



不登校は再登校すれば問題解決」



「ひきこもりは、外出して働き出せば問題解決」



ニートは、就職すれば問題解決」



と、実に短絡的・安直に考えがちなのですが、それはちょっと違うのです。



いま、一見元気に働いたり、学校へ行っている人たちの中には、



不登校にも、ひきこもりにも、ニートにもなれずに、アップアップしながら生きている人たちがたくさんいるんです。


その数は、実際に『不登校・ひきこもり・ニート』になっている人よりも何倍、何十倍も多いと推測できます。


また、一度不登校になった人が、また不登校になったり、やがてひきこもりになったり


ひきこもりの人が、働くようになっても、またひきこもりに戻ってしまうということは、非常に多いのが現実なのです。


わたしが見聞きした限りではですが、『不登校・ひきこもり・ニート』にもっとも厳しい意見を言うのは、実際に現役であったり、そういった経験がある人たちが多いのではないかと感じます。


次に、厳しい意見を言う人は、ギリギリで我慢をしている人たちが多いというのが、わたしの私見です。


もちろん、すべての人ではなく、そういう人が少なからずいるのでは? という感じがしています。


特に、ギリギリで我慢している人の場合



「つらいのはお前だけじゃないんだ! みんな我慢しながらやってるんだ!」


「オレだって、必死にがんばっているんだ! 甘ったれるんじゃない!」



と、怒りをともなって当事者を責めることがあるでしょう。


もちろん、自身にはまったく『不登校・ひきこもり・ニート』と無縁で、理解できずに怒っている人も多いのも事実でしょう。



この国では、アップアップしながら、いまにも沈みそうなのに、どうにかこうにか頑張っている人が、実に多くいると思うのです。



会社勤めが苦しくて苦しくて、でも家庭とか責任とかで、ギリギリで頑張っているお父さん。



子育てに悩みながら、必死の思いで頑張っているお母さん。



これまで一生懸命生きてきて、その後の老後に戸惑うおじいさんやおばあさん。



親の期待や、周囲の目、自分のプライドのために耐えている若者たちや子どもたち……





おそらくだけど



「会社なんてやめてしまいたい」



「家庭なんか捨ててしまいたい」



「いまの生活をやめてしまいたい」




「でもできない」



と、思いながら、歯を食いしばって、頑張って、耐えている人たちがたくさんいるような気がするのです。




いまね。


日本では、約3万人の人が自殺をしているんです。



それに対してね。


他殺で殺される人は、500人くらいなんですよ。


殺人事件は、未遂も入るから1000件くらいかな。


交通事故死は5千人くらい。


これらに比べてね。


自殺者の3万人っていうのは、それだけ生きづらいと思っている人が多いという証明かも知れません。



「頑張る」のが、悪いなんていう気は、まったくありません。


ただ、力を抜くときは、抜けよと言いたいですね。


これはね。


不登校・ひきこもり・ニート』の人たちばかりに言うんじゃないんですよ。


エリートコースを走っているような人にもね。


アップアップしながら、頑張っている人にも言いたいんですよ。


「肩に力が入っていると力は出ませんよ、力抜こうよ」



ってね。


だから力を抜いていきましょうよ。






不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局』
巨椋修(おぐらおさむ)