凶悪犯罪と不登校
わたしは、『不登校・ひきこもり・ニート』について調べることが多いのです。
また、仕事柄、犯罪などについて調べることも多いのですが、ひとつの事実として、有名は凶悪犯罪に『不登校・ひきこもり・ニート』の人がかかわっている場合は少なくありません。
土浦9人殺傷事件の犯人はひきこもりがちであり、妹が不登校、弟がニート、ニートといっても、まだ17歳であり、不登校であったか高校中退か、あるいは高校進学しなかったかは不明。
神戸連続児童殺傷事件の犯人も不登校。
山口母親殺人事件で、母親他、2人の女性を殺した16歳の少年も不登校。
会津では母親の首を切り落とした事件も、高校を不登校後、中退だったりします。
こまかく調べていけば、もっとたくさんあるでしょう。
ここで注意しておかなければならないのは、凶悪犯罪の原因が、不登校やひきこもり、ニートにあるのではなく、その裏側になにがあるのか……です。
彼らに共通しているものとして、親による厳しい躾だったりします。
つまり、子どもが、親に対して安心できないという環境があります。
子どもは、思春期くらいまで、なんとか親の希望に添おうと思って必死に親に合わせようとしますが、やがて、疲れきってしまい、怒りや憎しみを心の中に沈殿させてしまうのです。
やがて、それが思春期後、場合によっては、30歳や40歳になってから爆発することがあるようです。
どうやら子どもを育てるには、冷たく厳しい躾よりも、ちょっとくらい甘いくらいでちょうどいいのかと感じたりします。
他の共通点としては、やはり人間関係の不器用さでしょうか。
『不登校・ひきこもり・ニート』の人には、人間関係が苦手という人が少なくありません。
いま、全国の小中学生は、1100万人弱くらいいます。
その中で不登校児童生徒は、12〜13万人程度。
高校に行かない人や、高校中退の人も、ほんの数パーセントであったりします。
しかし、少年院や刑務所をみると、受刑者の約8割の最終学歴が、中卒や高校中退であったりするのです。
年間の殺人事件数は、1100件程度。
未成年が犯人の殺人事件は、100件以下。
それらの中から、不登校経験者や、高校不登校中退者がどれくらいいるのかは不明ですが、しかし、その率は、不登校や高校中退者とそれ以外と比べれば、多いと推測できます。
そして、少年院や刑務所に入っている人の多くが、一般のイメージとは違い、世の中でうまく生きられない、生きづらい人であったりします。
しかし、くれぐれも『不登校・ひきこもり・ニート』=犯罪予備軍などと考えないでください。
いまはかなり特殊な例を考えていますので。
また、『不登校・ひきこもり・ニート』が、絶対ダメだと考えないでください。
しかし、『不登校・ひきこもり・ニート』の人たちが、生きづらさを抱えてしまっている場合がとても多いのです。
まず、それをどうするか……、を、考えていかないといけませんね。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)