親も不登校からの解放を

わたしは、年間に数多くの元不登校当事者や、保護者の人と会います。

そこでよく目にするのは、


「疲れきったお母さん」


なんですよ。

不登校というのは、「善」でも「悪」でもないのですが、やはりお父さんお母さんにしてみれば、我が子は心配。

不登校という問題がない家庭でも、子育てというのはとても大変で、生まれてきた赤ちゃんがひとり立ちするまで、15年から25年くらいかかるものです。

子どもは、その中で学校という施設で過ごす時間がとても長く、何かちょっとした歯車が違ってしまうと、学校に通うことが難しくなってしまいます。


例えば、小学校の高学年や中学高校生くらいの成長期や思春期の年頃ですと【起立性調節障害(略称;OD)】といって、朝起きることが出来にくくなるという症状がでることが珍しくありません。


この【起立性調節障害】は、思春期ですと10人に1人の割合で現れるそうですから、特別なことではないともいえます。

しかし、親も教師も本人もそんなことは知らないため、子どもを「怠けるな」「親が甘やかしているから」と、親子を責めてしまいがちになります。


また、不登校になる子どもは、敏感な子どもが多く、人一倍気を使って育ってきており、そのため、思春期のときなどに、それまで【気を使って《良い子》を演じてきた疲れ】が、どっと出てしまって、学校にいけなくなってしまうことも、多くあるようです。

これを【小児型慢性疲労症候群】というそうです。


起立性調節障害】にしても【小児形慢性疲労症候群】にしても、社会活動を再開するまで、数ヶ月から数年かかるといいます。


数ヶ月から数年という期間が長いのか短いのかは、それぞれのご判断でしょうが、子どもが学校に行かない・行けないからと、お母さんご自身も、一緒になって疲れきってしまうことはないと思うのです。


例えば、中学生からお子さんが不登校になったとしても、いまは不登校生徒を対象にした単位・通信制の高校もありますし、【高校卒業認定】を取れるように指導してくれるフリースクールや塾もあります。


そう考えれば、高校を中退したとしても、【高校卒業認定】をとって進学することができますし、また、進学だけが進路ではありませんので、職業を探したりアルバイトをしたりして社会経験を積むという方法もあります。



子どもが生まれたのは「学校に行くため」ではないはずです。


学校へ行くことは、人生の目的ではなく、数多くある手段のひとつです。


もし子どもが疲れていたとき、親の役目は子どもと一緒になって疲れることではないはずです。


あまり力を入れず、適度に脱力して、ときどきストレス解消のために遊んだり、サボったりしてもいいんじゃないでしょうか。


不登校で一番苦しんでいるのは、お子さんでしょうし、お母さんも苦しいことが多いと思います。


でも、たまにはお母さんご自身が『不登校からの解放』をしてみてもいいかも知れません。


たぶん、お子さんやご家族もそのほうが楽になれると思いますよ。




不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局代表』
巨椋修(おぐらおさむ)