児童虐待と産後うつ
昨日、ふたつの事件が報道されました。
ひとつは
児童虐待 相談件数は過去最多 09年度4万4210件
―毎日新聞 2010年7月28日より抜粋―
厚生労働省の調べで、児童虐待の相談件数は4万4210件(速報値)で前年より1546件増え、過去最多を更新。
90年度の統計開始から19年で40倍超。
厚労省は「社会的な関心が高まって軽微な事案が掘り起こされている一方、深刻な虐待も増えている」とみている。
一方、08年度から虐待の恐れのある家庭に児相が解錠して立ち入ることを可能にした強制立ち入り調査(臨検)は09年度、東日本の1件にとどまった。
児童の不登校が続く家庭で、強制立ち入りに先立つ出頭要求や任意の立ち入りを保護者が拒んだケースだった。
出頭要求は21件(対象児童25人)あり、16件は応じず、その後の家庭訪問や任意の立ち入りにも応じなかったとして再出頭要求に至ったのは2件(同2人)だった。
ちなみにグラフにするとこうなります。
この急激な増加は、虐待についての認識が広く知られるようになったため、周辺の人や親自身が、児童相談所に通報や相談をすることが増えたためと考えています。
赤ちゃん殺しは、昭和の時代に比べると激減しているというのが統計上あきらかにされおりますので、いまのお母さんがダメなんてことは決してありません。
参照:http://kangaeru.s59.xrea.com/G-baby.htm
児童虐待死は0歳児が6割 「妊娠期からの支援を」と厚労省の専門委員
―7月28日12時21分配信 産経新聞より抜粋―平成21年度に虐待によって死亡したのは107件128人と発表した。
このうち心中と心中未遂を除く64件67人のうち、0歳児が約6割を占めた。
このうち16人は生まれたその日に死亡していた。
生まれたその日に殺害に至った理由は
「家庭(夫や両親)、職場、学校に知られたくなかった」
「育児をする気がなかった」
「育てられないと思った」
「出産、育児の費用がなかった」
などだった。
一方、生まれて1日以上、1カ月未満で殺害されたケースは
「泣きやませようとした」
「育児不安」
などが理由だった。
と、児童虐待が認知件数が増えていること。
現実として、父親の無責任や、母親が親になる知識も、覚悟もリスクも考えず安易に生んでしまうこということあるようです。
さて、もうひとつの事件は、日本テレビの山本真純アナウンサー(34)の自殺。
山本アナは、最近出産し、産休中のことだったといいます。
また山本アナは「産後うつ病」を患っていたらしく、
「子供を育てていく自信がない。明るい未来が見いだせない」などと不安を訴えていたといいます。
山本アナは、それまでうつ病の気はまったくなく明るいタイプの人だったといいます。
しかし「マタニティーブルー(妊娠前後のうつ)」は、ほとんどの妊婦さんがなるといいます。
これが一時的な「うつ」であるといいのですが、「うつ病」となるとなかなか大変で、「うつ病」の人は、その不安感や焦りから。しばしば家族に暴言・暴力を行なってしまうことがあります。
これがお母さんだと、場合によっては乳幼児の虐待という形になってしまうかも知れません。
これらのニュースから学ぶべきなのは、
●男女とも、妊娠のコストを知っておくこと。
●妊娠・出産するお母さんへの支援をもっと多くすること。
でしょう。
お母さん支援は、ひいては『不登校・ひきこもり・ニート』の予防に有効だとわたしは考えています。
FHN放送局代表
巨椋修(おぐらおさむ)