FHN放送局 自殺、その傾向のある人とは?

【配信日】 2008年10月6日


【出演】 巨椋 修(おぐら おさむ)、天正 彩(てんしょう あや)




●解説

悲しいことに、日本は先進国で一番自殺が多い“自殺大国”なのです。

今回のFHN放送局では、自殺の傾向と予防について考えます。

ではまず、どのような人が自殺をしやすいかということを考えた場合、その判定方法はたくさんあるらしいのですが、そのひとつに次のような傾向がある人は、自殺をしやすいと考えられていますので、参考までに書き出してみます。

(参;『自殺の心理学』高橋祥友著 講談社現代新書
およびhttp://www.ncnp.go.jp/ikiru-hp/manual/gyosei/gyosei21.pdf

1、自殺未遂歴
2、精神疾患
3、援助組織の欠如
4、性別
5、年齢
6、喪失体験
7、事故傾性
8、性格傾向
9、その他

これらのことについて、簡単に解説してみましょう。


1、自殺未遂歴
過去、自殺未遂をしたことがある人は、また自殺をする確立が一般人口の数百倍にもなるといいます。


2、精神疾患
世界保健機構(WHO)の調査によると、自殺が起きた場合、その人が生前、精神科診断にあてはまらない例は1割にも満たず,残りの9割に精神障害を認めているといいます。


ところが、実際に精神科治療を受けている人は、せいぜい2割くらいにしか過ぎず、精神障害を早期に発見して、適切な治療を実施することが、自殺予防につながると考えられています。

どのような病気が自殺の関係が深いかというと、うつ病が約30%、アルコール依存症を含む物質関連障害約17%、統合失調症約14%、パーソナリティ障害13%となっています。


3、援助組織の欠如
自殺を「孤独の病」と述べた医者がいるそうです。未婚の人、離婚した人、配偶者と死別した人は、結婚していて家族のいる人に比べて、自殺率は約3 倍高くなるそうです。


4、性別
自殺は女性より、男性の方が多く、自殺未遂は男性より女性の方が多いそうです。


5、年齢
年齢が高くなると、自殺の確立もまた高くなります。


6、喪失体験
経済的損失、地位の失墜、病気や外傷、近親者の死亡、訴訟などが起こると、自殺の危険が高まります。


7、事故傾性
自殺を実行する前に、事故が起しやすくなる傾向があります。


8、性格傾向
未熟で依存的な人は、自殺を起しやすい傾向があると言われています。

衝動を抑えられない人、完全主義、オール・オア・ナッシング(白か黒かという二者択一)、孤立がち抑うつがちな人、反社会的な人がその傾向が強いようです。


9、その他
児童虐待経験、他者の死から受ける影響。



自殺というのは、本当に深刻な問題です。

FHN放送局では、これからも自殺について考え、何とか予防の手がかりを探していこうと思っています。

まず、今回は放送配信を観ていただいて、自殺予防について、考えていただければと思います。






不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局代表
巨椋修(おぐらおさむ)