ひきこもりと殺人 ―家庭は暴力発生装置か―
「家庭は、暴力の発生装置である」
しかしわたしのように不登校・ひきこもりに関する取材をしている者にとって、これはリアルな話しです。
実態として、よく他人に暴力を振るう人間のほとんどは、虐待もしくは、親から殴られて育てられた子どもです。
親としては、厳しくしつけたつもりであったかも知れないが、そうやって育てられた子の多くは、他人に暴力をふるう人に育つか、自傷自殺行為をしがちな人に育つか……
あるいは、家庭内暴力という形で、親へ復讐をする。
暴力の究極が殺人であると仮定すると、現在日本で起こっている殺人事件は、年間約1100件。
この数字には、未遂も殺人予備も含まれますから、実際に殺されている人は、年間約500人。
そのうち約半数が家族殺人なのだ。
それに同居人や親戚も含めると過半数を超えます。
日本の殺人事件全般でもっとも多いのが、親による子殺しで、全体の約3分の1。
子による親殺しは、資料は古いが77年の調査によるとわずかに6%に過ぎない。
知らない人から殺されるというのは、殺人事件全体の15パーセント前後にしか過ぎない。
通り魔殺人は、警察庁によると年間一桁で、その過半数は未遂である。
これらのことを考えると、日本から殺人事件を減らすためには、まず家庭から……
といえるかも知れません。
家庭が、殺人や暴力の現場にならず、平和で安心してくつろげる場所にするようにしていただきたいものです。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)