打たれ強くなるには
ども、真夜中のトータルファイター巨椋修(おぐらおさむ)です。(笑)
総合格闘技の指導でお金を取って教えるようになって10数年になります。
わたしの道場では、“落ちる・落とすの禁止”なんですよ。
格闘技で“落ちる・落とす”っていうのは、締め技で首を締めて失神させる・されることをいいます。
禁止っていっても、そういった技は教えています。
では、生徒はどうするかというと、技が決まったらやられた人は、早めに「マイッタ」をするように指導をしています。
なぜか?
一度、失神するとそれが“癖”になるんですよ。
落ち癖がつく。
首を締められて失神するのは、一般に頚動脈の血液が止まって意識を失うからだと言われているんですが、実はそうではなく、肉体の反射なんです。
一種のたぬき寝入り。
体が危険を察知して、命を守るために仮死状態になると思っていいでしょう。
これを何回かやられると、肉体が「首を締められる」ということを覚えて、すぐに意識を失うようになる。
精神力は関係ありません。
体が覚えると、精神力は関係なく一瞬で失神するようになっちゃう。
逆にいうと、一番“落ち”にくいのは、素人さんなんですよ。
落ちるということを体が覚えていないから、逆に抵抗できたりする。
たまにあほな指導者が、「落ちる経験をしておけ」とか言って、わざと落としたりするんですけど、それは選手を弱くする行為と思っていいでしょうね。
格闘技でいうと、頭部への打撃でのノックアウトもそうなんです。
格闘技の醍醐味はKOですが、これもKOされるとだんだん体が、倒されることを覚えるようになる。
命を守るために、立っていられなくなったり、失神したりするような“癖”がつくんです。
これも精神力は関係ない。
あほは指導者は、選手をKOして、「根性で立ち上がれ!」っていうけど、肉体の反射ですから、いくら根性があっても立ち上がれなくなる。
そのうち精神や心も立ち上がれなくなっていく。
もし、根性や精神力で立ち上がれというなら、そういったマイナスの“癖”や“反射”をつけさせないようにすることです。
そして指導者は、プラスの癖をつけさるように指導する。
勝ち癖をつけるように指導する。
一度、つよいマイナスの癖がついてしまったら、心と体を心をいったん元に戻すために充分の休養や治療が必要になりますね。
そしてリハビリ。
それから再スタートです。