私たちは石器時代より幸せになったのだろうか?



(映画『恐竜100万年』より 石器時代にこんなイロッぽいお姉さんはいなかった・・・ と思う)


 ヒトが誕生して20万年だという。


 農業畜産ができるようになってわずかに1万年。それまでは狩猟採集生活で土地所有の概念はなかった。


 土地所有や富所有の概念がないから、戦争も富の格差もなかった。


 というのも、石器時代は全世界に数百万人(ほとんどの時代が100万人以下)程度しかいなかったから、食郎が豊富にあった。他の群れと出会っても、スルーするか、嫁取りや婿取りなどをして、新しい血を入れる程度の交流をしたほうがお得だったので、戦争をすることもなかったという。


 狩猟採集時代は一夫多妻制でも一夫一婦制でもなく乱婚制であり、乱婚制だと特定の夫や妻、恋人と付き合うのではなく、不特定多数の異性のSEXするわけことだから、女を奪い合う争いや男を奪い合う争いもなかったか少なかったことであろう。


 ちなみにヒトのSEXの場合、女が大きな声を出す。



(写真はイメージです。壇蜜さんごめんなさい)


 これは乱婚制の場合、女が複数の男の精子を取り入れることにより、より優秀な子どもを残そうといった戦略であるらしい。アノ時に声で他の男も誘っているのだという。


 石器時代の労働時間は1日2〜3時間程度で、木の実や魚、獣がとれた。


 食料が余ったときは働かなかった。


 現代人の労働時間に比べると、一か月のうち一週間だけ働いて、後はノンビリと休んだり遊んだりする程度だったという。



 これは聖書の創世記に出てくるアダムとイヴの物語に似ている。


それまでノンビリと暮らしていたアダムとイヴは、「善悪を知る木」「知識の木」の木の実を食べてしまい、楽園を追放されてしまう。そのとき神はアダムにいうのだ。


「あなたは一生、苦しんで地から食物を取る」「あなたは額に汗を流してパンを食べるであろう」


 これは農耕や牧畜のはじまりを現しているのではないだろうか?


 農業や牧畜がはじまるころ、世界人口は500万〜800万人と推定される。狩猟採集生活だけでは人口支持力が限界となっていたのだ。


 先に述べたように農業や牧畜が生まれることによって、土地所有や富の所有、富の格差や奴隷など身分制度が生まれる。


 そして創世記でも、アダムとイヴの長男のカインは農耕を行い、弟のアベルは牧畜をはじめる。やがてカインは弟のアベルを殺してしまうのだ。聖書による人類最初の殺人である。



アベルを殺そうとするカイン。人類最初の殺人であった)


 現代社会は石器時代と違い、はるかに複雑な人間関係に悩み、戦争や暴力に怯え、長時間働き、中には働き過ぎてうつ病になったり、自殺をしてしまう人もいる。


 いまさら石器時代に返ることなどできないが、私たちは生き方や働き方をもっと考え直してもいいのではないだろうか?



FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)