ニートという生き方もある

 


●現在はあまりお金を使わないで済む時代

 現在の日本人は昔の人と比べて、外出する回数が減っているそうで、国土交通省が昭和62年の調査開始以来最低であるそうです。


 特に10〜20代の休日の外出率は6割に満たず、70代の外出率を下回ったそうな。


 また昨今では若者の〇〇離れが取り上げられ、報道ではこれがいかにも問題であるかのように報じています。実はこれ若者に限らず、全世代で進んでいて、つまるところ不景気でお金がないから、〇〇離れにならざるを得ないのと、実際、現代社会はお金を使わなくてもそこそこ楽しめる時代になったということでもあります。


 例えば、観たい映画があると昔は映画館に直接足を運ばないと観れなかったけど、いまだとレンタルショップで済んじゃう。それもレンタルショップに足を運ばなくても、ネットで注文してDVDを送ってもらったり、ネット配信する作品を観ることができる。


 情報は新聞雑誌テレビよりも、ネットで最新の情報を得ることができる。しかも無料で。


 交通網の発達で自動車に乗るよりも、電車やバスで十分。


 電話をするのも、LineやFacebookを通してやれば無料で話すことができます。


 90年代後半にネットが普及したとき、多くの人はホームページビルダーとかのソフトを購入するか、専門家に作ってもらうしかなかったのが、いまでは無料のソフトがいくらでもある。


 かくのごとく、現代はあまりお金を使わなくても、そこそこ楽しめるし情報交換も発信もできちゃう時代なのです。




●お金を使う人は貧しい人である

 よく人は「食うために働く」っていうじゃないですか。でもこれ、必ずしもそうじゃない。現代日本において、多くの人は食うためになんか働いていないんです。


 1人暮らしの場合の食費って外食も含めて、月平均2〜3万円程度。これが夫婦2人暮らしになると、外食が減るのか3〜4万円程度。人1人食べるためだけなら、2万円程度で済むということです。


 生きていくためには、住み家もいるし光熱費もかかる。それら生きるために絶対必要なお金を引いて余ったものを、趣味や娯楽に使ったり貯金をしたりしますよね。


 でも、いまの時代お金を使って商品を買う人って、ある意味貧しい人なんです。


 何に貧しいか? 人間関係に・・・ です。


 例えば新婚夫婦に子どもができる。すると人間関係が豊かな夫婦であれば、「もしよかったら、使ってくれませんか?」なんて、誰かが中古のベビーカーをプレゼントしてくれるかもしれない。ベビー服をくれるかもしれない。いろいろな赤ちゃんに必要な情報をくれるかもしれない。


 お歳暮やお中元でお酒とかもらったとき、「私はお酒あまり飲まないから、〇〇さんにあげよう」となる。すると〇〇さんは「ぼくは甘い物が苦手だからお返しにいただいたお菓子をあげるよ」となる。


 知り合いに農家の人がいたら、とれた作物やお米をいただくこともある。なんでも日本でとれるお米の2割は無料で流通しているそうなんです。いわゆるお友達や親せきへのプレゼントですね。


 かくとのごとく人間関係が豊かだと、お金を介さないでモノが流通しちゃうんですよね。




ニートという生き方もある

 ニートやひきこもりって、いまの時代ひどいいわれようで「税金を納めないから非国民だ」とかね。でも、昔はそういった人は当たり前にいたんですよ。


 江戸時代だったら武士の次男三男ってニートひきこもりにならざるを得なかった。武士って世襲制で、基本的に長男のみが父親の禄を継ぐんです。そうなると次男三男四男とかは「部屋住み」とか「ごく潰し」とかいわれて、仕事もなく長男の稼ぎで生きていくしかなかった、武士の家では次男三男四男なんて、兄貴が万が一死んだ時のスペアでしかなかったんです。唯一の希望はどこかの家に養子に行くくらいでね。あるいは、剣術や学問で認められて道場や塾を開くくらい。でもそんな人は限られるから、基本ニート


 でも家族と一緒に暮らしていると、食費なんてそんなにかからない。現代でも2万円程度ですもんね。江戸時代だったらもっと安くて、次男三男といった「ごく潰し」でも適当に暮らしていけたんです。


 現代日本は、精神的に窮屈になってしまって「ニートは非国民」なんて言う人がいるけど、ニートっていう生き方があってもいいんですよ。むしろそんな人が文化を担っている部分もある。
 

「税金を納めてないからいけない」なんていう人がいるけど、だったら、ニートより圧倒的に大勢いる専業主婦に同じことがいえるのかい? 専業主婦は家事をやっているからだって? 実は現代において専業主婦はニートに極めて近い存在なの。


 家電の発達によって、そしてレトルトや冷凍食品の発達によって、専業主婦の労働はひどく減っているのね。どれくらい減っているかというと、独身男性の多くが別に結婚しなくてもいいやってくらいに減っているのだよ。家事なんて自分で出来るもんってくらいに。


 だから専業主婦っていう生き方を選んでもいい。(それをOKしてくれるパートナーがいればだけど)


 だから専業主夫っていう生き方を選んでもいい。(それをOKしてくれるパートナーがいればだけど)


 だからヒモ(男女関係なく)っていう生き方を選んでもいい。(それをOKしてくれるパートナーがいればだけど)


 だからニートっていう生き方を選んでもいい。(それをOKしてくれるパートナーがいればだけど)


 いいかい、生き方は無限にあるんだ。人が生まれてしまった限り、その人は幸せに生きることが目的だと思うんです。ニート的な生き方が幸せなら、そういう人生もいいんじゃないかな?




FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)


 

わたし(巨椋修(おぐらおさむ))が監督した映画『不登校の真実〜学校に行かないことは悪いことですか? 』DVDになりました。
精神科医不登校に携わる皆さんにインタビューをしており、問題解決のヒントになれば幸いです。
TSUTAYA』のドキュメンタリーコーナーにも置かれておりますのでご覧になってください。


●巨椋修(おぐらおさむ)の著書



ビックリ!おもしろ聖書物語 (リイド文庫)

ビックリ!おもしろ聖書物語 (リイド文庫)






新版 丹下左膳

新版 丹下左膳

巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

陽明門護身拳法のHPはコチラ。門下生募集中!
https://youmeiyoumei.jimdo.com/


門下生募集中!お問い合わせは osaogu@yahoo.co.jp まで。