ひきこもり経験のある人は10人に1人以上⁉

●ひきこもり経験のある人は10人に1人以上⁉

 大阪大学の井出草平氏にブログによると、


過去のひきこもり過去経験が15〜39歳のあいだで、265.2万人と推定される。
この質問は現在ひきこもり状態ではない人に対して行われたものである。従って、現在ひきこもり状態にある人(1.69%)と過去経験のある人(7.7%)を足すと、323.5万人となる。これは日本人の若者(15-39歳)の9.4%になり、およそ10人に1人はライフイベントとしてひきこもりを経験している。ひきこもりは日本では深刻で大きな社会問題であることがわかる。

 とあります。内閣府の調査は15〜39歳であり、もっともひきこもり多いと推定される40歳以上のひきこもり経験者について調査していないため、経験者数はもっと多いと考えられます・




●なぜひきこもるのか?

 ひきこもり者の心理としては


・自己肯定感の低さ

・不安感が強く傷つきやすい

・人間関係が苦手


 というところがあります。


 そして心理カウンセラーの根本裕幸氏によると


皆さんが引きこもりたいときがあったとしたら、どんなときでしょうか?
辛いことがあったとき、むしゃくしゃしているとき、何かを我慢しなきゃいけないとき、何かを隠したいとき、強い不安や恐れがあるときなどなどたくさんあるかもしれません。
それらを総括すると、引きこもってしまう目的は多く「何かを隠さなければ」という潜在的な観念が作り出すものようです。
もちろん、意識的にそう思う時もあるけれど、多くは無意識的に反射的に引きこもってしまうので、当人はなかなか気付けません。


例えば「怒ってはいけない」という観念があったとすると、その怒りを隠そうとします。でも、怒りはとてもパワフルな感情ですので、押さえようとすればするほどイライラが募り、ますます隠さなければならない気持ちが膨らんでいきます。
そうするとまずは笑えなくなり、泣けなくなり、やがては、人に自分を見せることも出来なくなってしまいます。潜在的には自分自身がまるで怒りの塊になってしまったように感じるわけで、自分を見せることと怒ることが一致してしまうのです。


実はこの「怒りを隠す」というのが引きこもりで一番多い原因(目的)のようです。
多くの人は「怒り」をあまりいい目で見ませんね。
だから、多くの人は「怒るなんて悪いことだ。我慢しなければ」と思っています。
特に「良い人」「いい子」として育ってきた人の場合、怒りを表現することが最大のタブーの一つになってしまうことが少なくありません。
怒っている自分を認められず、また、許せないから世間から怒りを隠すために、心や体を隠してしまうわけです。


また、罪悪感が強いとき、社会に出れば自分は罰せられる、と感じたり、自分は罰せられなければならない、と思うものです。
そうすると引きこもること、イコール、牢獄に自分を閉じ込めるイメージとなり、それ自体が自分を罰する行為になります。
カウンセリングサービス 心理学講座「引きこもりの心理」より引用

 と、心の奥底にある【怒り】を隠すことに着目しています。


 これは私も同感で、ひきこもり系の人は、一見おとなしそうに見えても、心の憶測には大きな怒り、憎悪を抱えているようです。






●ひきこもりを脱するには心の奥底に秘めた憎悪を手放すこと

 数日前に『【怒りの正体】怒りは悲しさや不安の表れ 』というのでも書きましたが、怒りの根本には不安・悲しみ・怯え・妬みといった第一感情があり、それによって生まれるの怒りであり憎悪なのです。


 憎悪の手放し方は『【怒りの正体】怒りは悲しさや不安の表れ 』を読んでいただくとして、『ひきこもる』という行為も同じく『不安・悲しみ・怯え・妬み』といった心理が根幹にあります。


 こういった心理を手放すと、必然的にひきこもりから脱することになります。


 最初に「ひきこもり経験のある人は10人に1人以上いるかも知れない」と書きましたが、これはいかに現代社会に『不安・悲しみ・怯え・妬み』といった心理に苦しんでいる人が多いということがわかります。


 もしこれを読んでいる人が、ひきこもりかひきこもりの関係者であるなら、ひきこもりは実はめずらしいものではなく、苦しんでいるのはあなた1人だけではないのだということを知ってください。


 そして「ひきこもり経験のある人は10人に1人以上いる」ということは、ほとんどのひきこもりの人が、ひきこもりから解放されたということも知ってください。


 怒りや憎悪というのは、誰もがどこかに持っているものですが、誰も幸せにしません。


 あなたの心から、怒りや憎悪という感情が減っていくことを願っています。




FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)