打たれ強くなるより受け流す力・かわす力を養え!
●人は皆、打たれ弱いもの
不登校・ひきこもり・ニート系の人に限らず、多くの人が「もっと打たれ強くなりたい」、「もっと鈍感力を付けたい」と、思っていると思います。
実は私も以前そう思っていました。
打たれ弱い自分が嫌だったのです。そのためどうすれば、打たれ強くなれるのかを、考えてみたり、悩んでみたり、いろいろ試したりしたものです。
そんなとき、ふと思ったのですよ。
「打たれ強くなる努力よりも、受け流したり、場合によっては受け入れたほうが、楽なのではないか?」
と・・・
そして、多くの「あの人はタフ」「あの人は打たれ強い」と言われている人たちと接しているうちに、そういった人たちもまた、決して打たれ強いわけではなく、傷つきやすい面もちゃんとあり、それを我慢して表に出していないだけであったり、上手に受け流していたりしている人がほとんどだったのです。
おそらく、人というものは、どんな人も打たれ弱く傷つきやすい生き物なのでしょう。
●打たれ強さよりも、受け流す力、かわす力を
格闘技に例えると、相手のパンチに対して、筋肉を鍛えに鍛え、打たれても効かなくなるくらい鍛えるという方法も、格闘技選手なら、誰もがやるトレーニングです。
しかし、ながく打たれ続けていると、いずれ少しずつジワジワ効いきて、いつかはダウンしてしまうもの。
打たれる場所が頭部なら、その試合は大丈夫でも、何年も続けていると、やがてパンチドランカーといって、脳障害を起こして日常生活に支障が出てきたりする怖れもあります。
それよりも、相手の攻撃を受け流したり、かわしてしまうという防御を身につけると、身体にダメージがほとんど残りません。
鈍感力を養うといっても、本当は痛めているのに、鈍感であるために、傷ついてい自分に気が付かないため、より大きなダメージを負ってしまうなんてこともあるかも知れません。
これが、格闘技ではなく、日常生活だとすると、何か嫌なことや傷つけられるようなことがあったとき、打たれ強さを養って、まともに受け止めるより、さらりと受け流す力、かわす能力のほうが、より実用的と言えないでしょうか?
そして、鈍感力を身に着けるというということは、自分の痛みに鈍感になるだけではなく、他人の痛みにも鈍感になりがちです。もし仮に、鈍感力を身につけられたとしても、他人の痛みには敏感でありたいものですね。
●どうやって受け流す力、かわす力を身に着けるか?
では、どうすれば、この受け流す力、かわす力を養成できるのでしょうか?
まず、いまの自分の力を素直に受け入れることです。これはなるべく過小評価もせず、過大評価もせず、いまの自分の力を自覚することです。
次に、 何か自分が傷つけられるようなことを言われたり、されたりしたときは、強がらずに素直に「あ〜、私いま傷ついた・傷つけられた」と、しっかりと自覚しましょう。決して、強がって「大したことない」などと誤魔化してはいけません。これは、受け流す力を養成するというよりも、むしろ打たれ強さを養成するのに有効な方法なのですが、ちゃんと自覚することは大切です。
自分が傷つけられたことを自覚できたら、それは自分が悩むほどの大事件なのかを考えてみましょう。
ほとんどの場合、人は自意識過剰ですから、大したことでもないのに、いつまでも傷を引きずってしまいます。
もし、それが本当に自分が悪いのなら、そこから学習すればいいのです。
もっと言ってしまえば、人生のほとんどのことは、後悔も反省も必要ありません。本当に必要なのは学習なのです。
また、だいたいにおいて、自分を傷つける人というのは、決まっているものです。
そういう人とは、なるべく距離をとるか、とれない場合、「あの人はあの人、私は私」と、割り切ってしまいましょう。
付き合いのある相手なら、さすがに無視することは、新たな問題になるかも知れませんので、極力かわすか受け流してしまいましょう。
多くの場合、傷つける相手のことや、傷つけられたことを延々と考えてしまうもので、これはある程度仕方がありませんが、それは時間の無駄というもの。しかし脳裏にそういったことや人が浮かんでくるなら、それは適当に考え「人は人、私は私」となるべく放っておきましょう。
●あなたを一番傷つける人は、おそらくあなた自身
しかし、実際の所、世間の人々はあなたが思っているほど、あなたに注目していないものです。
おそらく、あなたは世間や社会から注目を集め、攻撃されるほどのスーパースターではないことでしょう。
ただし、ただひとり、虎視眈々とあなたを見て、ケチばかり付け、傷つけ続けている人がいるはずです。
それあなた自身です。
傷つきやすい人ほど、打たれ弱い人ほど、自分で自分に意地悪をいい、自分を傷つけ続けています。
もし、打たれ強くなりたいなら、まず、自分で自分を卑下したり、傷つけたりすることをやめるようにするのが、一番効果的と言えるでしょう。
自分で自分を傷つけることをやめれば、その人は必然的に打たれ強くなり、自分への攻撃をさらりと受け流したり、するりとかわしたりもできるようにできるようになります。
ほんとですよ(笑)。
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巨椋修(おぐらおさむ)
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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。
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