セクシャルマイノリティLGBTは病気でも異常でもない
●差別されている性的少数者
LGBTというのを知っていますでしょうか? レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(心と体の性の不一致)の頭文字をとった総称のことです。
こういった性的少数者(セクシャルマイノリティ)の人たちは、これまで【異常】といわれたりして、不当に差別されてきた歴史があります。
かつて広辞苑には同性愛について、次のように記述されていたといいます。
「【同性愛】 同性を愛し、同性に性欲を感じる異常性欲の一種」
そう、かつて同性愛や、両性愛、心と体の性の不一致の人たちは、異常性欲者と思われていたのです。いえ、かつて・・・ ではありません。いまでもそう考えている人は少なくないのです。
しかし、それは現代社会が作った誤ったイメージです。決して同性愛はじめLGBTは異常ではありません。それは社会やマスコミが作ってしまった失敗の一つであろうと私は思います。
●LGBTは20人に1人
ではLGBTの人というのは、いったいどれくらいの割合でいるのでしょうか?
電通総研が行った2012年の調査によると、その割合は5,2%。
およそ20人に1人の割合です。40人学級なら1クラスに2人いることになります。
これは決して少ない数字ではありませんね。
でも、あまり身近にいないと思っている人もいることでしょう。
なぜ、多くの人々がLGBTの人たちに出会わないのかと言えば、LGBTの人たちは、必死に自分の性的指向を隠しているからです。
必死に隠さないといけないほど、世間の偏見が強いといっても過言ではありません。
●LGBTの多くは、いじめと偏見に苦しんでいる
20人に1人いるLGBTですが、多くの人たちが偏見などからいじめ被害を受けています。
これは厚生労働省が、07年に調査をした『ゲイ・バイセクシャル男性の健康リポート2』によりますと、学校でのいじめ被害が発表されています。
・ホモ・おかま・おとこおんなと言葉によるいじめを受けた人 全体で56〜66%
・仲間はずれにされたと感じたこと 全体で42,7%
・教室で居心地の悪さを感じたこと 全体で57,0%
・「ホモ・おかま」といった言葉の暴力を受けた 全体で54,5%
・言葉以外のいじめ被害 全体で45,1%
・性被害経験割合人 21,4%
図表にのってはいないのですが、性被害を受けた人が21,4%もいたというのも、これらの人たちへのいじめや暴力犯罪の陰湿なところいえるでしょう。
また、2014 年に「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」が行った【LGBTの学校生活に関する実態調査(2013) 結果報告書】の調査によると、
・全回答者の 「身体的暴力」「言葉による暴力」「性的な暴力」「無視・仲間はずれ」のいずれかを経験したのは68%
・ 言葉によるいじめや暴力 53%
・無視・仲間はずれ 49%
中でも性差違和(おそらくトランスジェンダーと思われる)の男子はいじめや暴力被害を受ける確率が高く
・性別違和のある男子ではいじめや暴力を経験した割合は 82%
・内訳は、言葉による暴力 78%
・身体的な暴力は 48%
・性的な暴力 23%
と、高い数値が出ています。
これら学校でのいじめ被害は、あまりにも多すぎるといわざるをえません。
●7人に1人が自殺未遂経験あり!
LGBTの人は、その他の人に比べて自殺を考えたり、自殺未遂をする人がとても多く、そして実際に亡くなってしまう方もたくさんいると考えられます。
下の図をちょっと見てください。
なんと自殺を考えた人が、65・9%!
若い年代だと7割近くの人が自殺を考えたことがあるという数字!
そして実際に自殺未遂をした人は、14%! 実に7人に一人が自殺未遂をしているのです!
いれは明らかに異常な数字といえると思います。
●LGBTをカミングアウトするべき?
LGBTの人たちは、自分の性的指向をカミングアウト(告白すること)を心の底では望んでいる人が多いようなのですが、これまで述べてきたように、あまりに世の中の偏見が強すぎて、躊躇したり、だまったままでいる場合が多いようです。
最近、カミングアウトするほうが良いするメディアなどの風潮もあるようですが、私個人的には、単純に「カミングアウトした方がいい」とは、いいにくいのです。
下の男性同性愛者が自殺未遂をした要のがグラフを見てください。これは99年のデータですが、カムアウト(カミングアウトのこと)した方が自殺未遂の率が高くなってしまっているのです。
これは、まだまだ世の中の偏見が強く、カミングアウトした場合、より強い偏見にさらされてしまうからであるかも知れないのです。
この問題は、本当に難しい問題であると思います。
●少数者が苦しまずに生きていける世の中を
いつの時代でも、性的少数者に限らず、いろいろな少数者は生きづらいものだと思いますが、近年ではより少数者が生きづらくなってきているように思えるのですよ。
理由としては、国民のサラリーマン化や学校教育による、人々の均一化があるんじゃないでしょうか?
集団とちょっとでも違う考え方や行動をすると、すぐに排除されたり、攻撃の対象になってしまう・・・
また、集団とちょっと違うだけで、排除や攻撃をしてもいいのだ。だって集団は正義なのだから・・・
もしそんな人ばかりになってしまったら、世の中は本当に住みにくいと思いませんか?
少数者が、少数ゆえに悩んだり苦しむ世の中ってどうなんでしょうね?
※来月、15年6月10日(水)の『生きぞこないなう!』では、中野区議会議員であり、ご自身が同性愛者であることをカミングアウトしている石坂わたるさんにゲストにきていただく予定で告知しておりましたが、諸事情により出演が中止となってしまいました。ここにお詫びして訂正いたします。
そして最後に、LGBTで悩んだ場合の相談先をお知らせしておきます。
相談先・連絡先
●よりそいホットライン
電話 0120-279-338
どんな人の、どんな悩みにも寄り添って、一緒に解決する方法を探します。
音声ガイダンスに従い、相談したい内容の番号を選んでください。性別や同性愛に関わるご相談は4番です。
http://279338.jp/yorisoi/
●ストップいじめ!ナビ
いじめや嫌がらせから抜け出す方法は、必ずあります。このサイトにはさまざまな方法が載っています。
http://stopijime.jp/
●AGP(同性愛者医療・福祉・教育・カウンセリング専門家会議)
AGPでは医師、カウンセラーによる無料電話相談をおこなっています。
電話 050-5539-0246
http://www.agp-online.jp/
・AGP「こころの相談」 毎週火曜日 20:00〜22:00
・AGP「からだの相談」 第1水曜日 21:00〜23:00
・AGP「かぞくの相談」 第2木曜日 20:00〜22:00
●いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン
http://ameblo.jp/respectwhiteribbon/
(引用;TOKYO人権 第57号 特集性的少数者の自殺リスク その背後にある「生きづらさ」とは)
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)拝
第3回 生きぞこないなう! テーマ『正義論 あなたの正義に気をつけろ!』
第2回 生きぞこないなう! テーマ『諦め論 諦めちゃダメですか?』
第1回 生きぞこないなう! テーマ『フマジメ論 フマジメのススメ』
【脱力系TV! 生きぞこない なう!】のお知らせ。
毎月第2水曜日、午後9時放送。
↓コチラのマッハTVよりご覧いただけます。
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スタジオ観覧のご希望(観覧料1000円)、番組で取り上げて欲しいテーマ等は
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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。
陽明門護身拳法のHPはコチラ。門下生募集中!
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