第７回　ろくでなし社会学　大国日本と自信のない日本人 - おぐらおさむ（巨椋修）の不登校・ひきこもり・ニートを考える

●日本って意外と大国！

日本を小さな国と思っている日本人は多いようです。

これは戦後教育最大の失敗かも知れません。つまり大間違いってこと！

「そんなことはない！」と思っているアナタ。日本という国は、世界で何番目に人口が多い国か知っていますでしょうか？

　答え「10番目」

　世界人口が70億人として日本は1億3000万とすると、世界の人間の中で、54人に1人が日本人。

　国土面積は代表的な国日本の国土面積は世界１９２カ国中第６０位。

　決して小さくありません。

　本州は世界で７番目に大きな島。

　日本は沖縄や小笠原のような亜熱帯から北海道の亜寒帯までがある世界でもめずらしい国。

　スイスの経済研究機関「世界経済フォーラム」によると、２０１２年版の国際競争力ランキングによると、日本は１０位。

　軍事力はとらえ方で変わるけれど核ももっていないのに、世界10位から下がることはないでしょう。

　かくも日本は大国なのです。

●大国なのに自己肯定感がすくない日本の若物

　しかしその日本人、特にこれからの日本を担っていく日本の若者たちは、自信を失ってしまっているようです。

財団法人日本青少年研究所の「高校生の心と体の健康に関する調査」に高校生の自己肯定感（自尊感情・自信）について、日・米・中・韓の比較が出ています。

　ちょっと取り上げてみましょう。

・「私は価値のある人間だと思う」
米国57.2％、中国42.2％、韓国20.2％、日本7.5％

・「自分を肯定的に評価するほう」
米国41.2％、中国38.0％、韓国18.9％、日本6.2％

・「私は自分に満足している」
米国41.6％、中国21.9％、韓国14.9％、日本3.9％

・「自分が優秀だと思う」
米国58.3％、中国25.7％、韓国10.3％、日本4.3％

・「私の参加により、変えてほしい社会現象が少し変えられるかもしれない」
米国69.8％、中国62.7％、韓国68.4％、日本30.1％

・「私は将来に不安を感じている」
米国60.6％、中国58.0％、韓国79.5％、日本77.7％

・「私個人の力では政府の決定に影響を与えられない」
米国42.9％、中国43.8％、韓国55.2％、日本80.7％

　これを観ても、日本の高校生がいかに自己肯定感が低いかがわかります。

　日本は、まだまだ世界的に見て大国であることは間違いないのですが、しかしいまのように自信を失ったままだと、やがて衰退の一路をいくだけでしょう。

●上機嫌でいきましょう

　若者が自信を取り戻すためには、その前に大人が自信を持ってリードしていく必要があるでしょう。

　それには「ダメ出し」より「ポジ出し」がいい方法かも知れません。

「ポジ出し」とは若手評論家の荻上チキさんの造語で、「ポジ出し」のポジは、ポジティブのポジです。

これまで多くの大人は「若者にダメ出しをする」のが「立派な大人」と勘違いしていた人が多くいます。

しかしここ20年に渡る不況の中、若者はもちろん大人も老人も、ネガティブで当たり前、「何をやってもダメだろう」という心理状態になってしまっていました。

ネガティブというのは、言い方を代えれば「不機嫌」ということです。

不機嫌の人が周囲にいると、こちらも不機嫌になります。不機嫌な人が希望を語っても、あまり信用できません。

逆に上機嫌の人が周囲にいると、こちらも上機嫌になり希望が持てます。

自信がある人は、基本的に上機嫌です。

機嫌のいい親に育てられた子どもはノビノビと育ちます。

不機嫌な親に育てられた子どもはビクビクして育ちます。

日本の若者たちは不機嫌な時代、不機嫌な親たちに育てられた結果、自己肯定感が低くなってしまったのかも知れません。

あなたが親や大人なら、子どもや若者に対して上機嫌に接していけば、それだけで子どもや若者は希望を持ち、自己肯定感が上がります。

あなたが若者なら上機嫌でいるなら、気持ちのいい仲間が集まってくることでしょう。

類は類を呼ぶのです。

日本人はそろそろ不機嫌な時代と決別して、自信を取り戻していくべきではないでしょうか。

● まとめ

・日本は日本人が思っている以上に大国です。
・日本人が自信を取り戻すためには「ダメ出し」より「ポジ出し」が必要です。
・不機嫌より上機嫌でいきましょう。

FHN放送局
巨椋修（おぐらおさむ）拝

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