通信制高校に通う生徒の半分は・・・

「BLROGOS」に興味深い記事がありましたので紹介します。

2人に1人は進学も就職もしない。通信制高校の知られざる現状】の中でNPO法人D×P(ディーピー)の今井さんという方が、次のように語っています。

通信制高校に通う生徒は約19万人いて、少子化の中、生徒数は増加しています。では、どんな生徒がいるのか。一般的には、勤労学生というイメージがあるかもしれません。


ところが今は違うんですね。通信制に通っている約19万人のうち、7割が一度学校を辞めた生徒で、4割が中学校までに不登校経験をした方です。学校によっては9割近い不登校経験者を抱えています。この数は増え続けてきており、来年度で230校になると言われます。学校基本調査では、通う生徒のうち2人に1人は進学も就職もしない、という現状が出ています。


たしかに以前、わたしが調べたところでは、通信制高校に入学して卒業する人は、20〜40%でした。http://d.hatena.ne.jp/fhn/20140116/1389851625


また、ひきこもり者を調べたところ約半数が不登校経験者だったというデータもあります。http://d.hatena.ne.jp/fhn/20110827/1314439370


わたしは不登校など、していいと思っているのです。後の人生をエンジョイできれば……


それが例え、低所得者でなろうともその人が充実した人生を送れればそれでいいと思っているのですが、進学も就職もしないニートやひきこもりをもし仮に長期間続けるとしたら、それはあまり良いことだとは思えないのですよ。


ニートやひきこもりだって、せいぜい1〜2年で、終わるのなら別に全然ニート・ひきこもりで構わない。


しかしそれが、5年10年15年と長期に渡るのなら、それはその本人にとって、その家族にとってあまり良いことだとは思いにくいのです。

これらの現実を見ていて思うのは、支援者自身も少し支援の仕方を、ときどき振り返って考え直してもいくべきなんでしょうね。


これまでの「不登校でもいいじゃないか」「不登校になっても通信制高校がある」「高認をとればいい」だけではなくて、実際、これらのデータのように通信制高校に行けたとしても、2人に1人がニートになっているという現状があるとしたら、何かもう一つでも二つでも、それらをカバーする支援もセットにして考えておいてもいいんじゃないかなと思ったりします。

たぶん、通信制高校の人たちも限界近くがんばっているでしょうから、さらにそれらをカバーできるように。


と、いってもこれらを行政や学校にお願いしたとしても、そのカバー体制が実現するまで何年もかかることでしょう。

そうなると、【いま通信制高校に通っている生徒たち】にとって間に合わなくなる。

となると、やはり家庭が、万が一そうなったときに、あきらめたり動揺しないようにしておく必要があるかも知れません。

もし高校を中退してしまったとき、その子にとってどんな進路が可能なのか?

あるいは、信用できる相談機関になるべく早く相談するとかの“覚悟”のようなものが必要かも知れません。

ひきこもりやニートになってしまう人って、その前に心に深い傷を負っていることがとても多いのです。

その傷のトラウマのために、再び学校や社会へ出ることが怖くなってしまっていることがかなり多い。

どうやってその傷を癒していくのか、また再びその傷が悪化したとき、どうするのか……


これらのことはケースバイケースだと思うのですが、親も支援者も本人も、考えてみることが必要のような気がします。




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巨椋修(おぐらおさむ)


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