不登校の解決策
わたしはよく
「学校に行かないということ自体は、大した問題ではない。その裏側にあるものが本当の問題なのだ」
と、言います。
不登校を、
「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」
だとするならば、その解決策は、(表面的には)大きく三つに分けることができます。
1,再登校
2,進学
3,就業(もしくは結婚)
以上の三つです。
カンタンに解説しますと
1,再登校
は、文字通り不登校だった児童生徒が、ふたたび学校に通うようになるということです。
ほとんどの親御さんはこの【1】を目指していると思われます。
元々、「ウチの子は学校なんて行かさなくていいや」と思っている親だと、行政から「親は子どもに教育を受けさせる義務があります」と、言われるくらいで、それほど悩まない。
また、
「ウチの子は学校なんて行かさなくていいや」
と、思っている不登校児の親御さんもたくさんいるとは思うのですが、ほとんどは大変な葛藤の後、そういう思いになり、心の底では
「やっぱり本当は、学校に通ってほしい……」
などと思っている人が多いものです。
そのため、「学校なんて行かない方がいい」というフリースクールなどでも、学校と交渉してフリースクールいくと、学校も出席扱いにしてもらうようにしたり、通信制の学校と提携したりしています。
2,進学
小学校や中学校を卒業すると、高校に進学します。
義務教育は中学校までですから、“狭義”な意味での不登校はこれで卒業。問題解決となります。
最近では高校に行かないのも不登校と言われる場合もありますので、全日制の高校に通えない場合、【1】と同様、通信制の高校や、そういった高校と提携しているフリースクールに入学すれば、【表面的な不登校問題】は解決ということになります。
高校に行かない場合でも、高認(高等学校卒業程度認定試験・旧大検)を取得し、大学や専門学校に進学すれば、不登校問題は解決となります。
3,就業(もしくは結婚)
結婚については、女性に関してですが、こう言う風に書くと、フェミニストの人は「女性を差別している!」と怒るかも知れませんね。(笑)
実際、わたしが会った親御さんの中に
「娘が不登校なんですけど、最終的にはお嫁さんになれるならいいかなと思ってますが、間違っているんでしょうか?」
と、お尋ねになられる方がいます。
どうも、フェミニストの方に怒られたらしい。(苦笑)
(まあ、専業主婦が女性差別になるのかどうかは別として、現代日本にとって、専業主婦が、問題であるとはされていないのでご勘弁を)
小中学校を不登校であっても、高校を卒業していなくても、仕事に就いて自分の生活費を稼ぐようになれば、不登校問題は解決といってもいいでしょう。
以上の三つが、大まかですが【不登校解決策】です。
表面的には!
はい、表面的には……、です。
では裏側になにがあるか?
再登校しても、他人や家族とうまくやっていけない場合がある。
社会とうまくやっていけない場合がある。
進学しても、就職や就業できない場合がある。
つまり『ひきこもり』や『ニート』あるいは『生きること自体が大変つらい毎日の人』になってしまう場合がある。
あるいは、人や家族、社会とうまくやっていくことができないため就業や結婚しても、その後、神経症やうつ病になってしまう場合もあります。
これが本当の問題。
表面的な解決も大切でしょうけど、
“人生を楽しく、たくましく生き抜く力、方法を教え育てる”
というのが、本当の教育であり、不登校の解決策だと思っています。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)