不登校の現実 ぞっとする事実
不登校という現象と、まじめに向き合う限り、それらのぞっとする現実が次々と浮かび上がってくるのが事実だ。
ぼくが不登校者に、できる現実的なアドバイスは、当事者が小学生中学生の場合
1、【どうしても学校に行きたくない。という場合は担任や教員、スクールカウンセラー、公的専門機関や医師等に相談し、休養をとらせること】
2、【いじめ、成績低下、学校不適応などがあれば、問題の解決を探る】
3、【担任・学校長と相談し卒業、進学】
4、【進学しない場合、できれば技術がつく、潰しがきく職業を選択し就職】
高校の場合だと
1、【再登校】
2、【休学】
3、【転校・編入(注;全日制公立高校の場合、不登校による転校・編入は難しい)】
4、【再び入試を受け、再入学】
5、【以上が難しい場合「高等学校卒業程度認定試験」に合格し、進学を目指す】
6、【就業もしくは職業訓練校へ】
つまり義務教育ではない高校では、不登校が続くと留年や退学になってしまうため、そうならないように考えておく必要がある。
就職というものを考えた場合、高校中退での正規雇用採用は中卒よりも難しい。
そして現実を考えた場合、社会や世間は中卒や高校中退に対して、決して優しくない。
現代、中学校を卒業した生徒の約97%が高校に進学。
残りの3%は高校に進学せずに働くか、高校浪人か、高校以外の学校に進学するか、病気で入院しているかニートということになる。
次に高校に入学したけれど中退をしてしまうのが、おおよそ2〜5%。
高校中退の場合でも最終学歴は「中卒」だから、最終学歴が「中卒」となるのは、全体の5〜10%ほど。
もちろん、中には、高校浪人して入学する人や、中退しても再入学する人もたくさんいるが、中卒者というのは、かなりの少数派であることは間違いない。
そして、どうやら世の中というものはこの少数派である【中卒】なる人たちに冷たいらしく、【中卒】の人たちにとって生きづらい世の中なのだ。
平成21年版犯罪白書によると少年院の場合、中卒が36.0%、高校中退が33.7%と約7割が最終学歴中卒という結果。
平成16年版の犯罪白書には、刑務所の新受刑者について載っていますが、ここでもやはり約7割が、最終学歴中卒。
不登校生徒と犯罪者と一緒にするなという声が聞こえてきそうだが、犯罪者の多くは好きで犯罪をやっているわけではない。
生きづらいからなのだ。
もっといえば経済的・精神的に不安的であるからだ。
平成5年度に不登校であった生徒のその後を、平成11年に文部科学省が追跡調査した結果によると、
・不登校経験者の高校等への進学率が65%。
・中学卒業時点で不登校経験者の進路は、就業率が28%。
・就学も就業もしない者が13%
・また、不登校経験者の中学校卒業直後の高校進学者については、そのうち38%が中退を経験。(当時の日本平均の高校中退率は、1.9%)
内閣府が文科省の協力で得た調査によると、平成16年(2004年)に中学校不登校だった生徒が平成21年(2009年)にどうしているかというと
1、 「現在、学校に行っている」(39.4%)
2、 「仕事をしている」(26.6%)
3、 「仕事にはついておらず,学校にも行っていない」(16.5%)
4、「仕事をしながら学校に行っている」(7.3%)
という結果がでています。不登校経験のある若者100人中16〜17人が、ニートやひきこもりになっている。
しかし暗い統計ばかりではない。
「学校に行っている」と回答した人39.4%。
「仕事をしている」と回答した人26.6%
「仕事をしながら学校に行っている」7.3%
を合計すると、73・3%の人が、学校に行ったり就業をしていることになる。
次に、高校中退者の中学時代における欠席状況を調べたところ、高校中退者のうち約4分の1が中学時代に不登校経験があったという結果も出ている。
不登校となるきっかけとしては、「友人関係のトラブル」や「教師との関係が悪い」、つまり「人間関係が悪い」というものが多い。
もし仮に、不登校の解決が「学校へ復帰する」ことや「就業する」ということであったとしても……だ。
再び学校に行った先で、同級生などとうまくいかなかったり、就職しても上司や同僚、取引先の人とうまくいかなかったりすると、大変つらい思いをすることになる。
実は、ニートやひきこもりになるきっかけも、「職場不適応」や「対人関係」ということが1番多い。
つまりは、不登校・ひきこもり・ニート系の多くの人は、コミュニケーションが苦手という傾向がある。
不登校の原因として、「授業についていけない」「学力不振」というのもあるが、たとえ、学力が多少低くても、人とうまくやっていける能力があれば、学校復帰や進学をしてもうまくいく。
職場でもやっていくことができる可能性が広がる。
他にも「病気」が不登校のきっかけになることも多くあり、中でも心の病気であることも少なくない。
心の病気も、対人関係とかかわってくるので、一人で悩まず早めに病院にいって相談をすることだ。
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巨椋修(おぐらおさむ)
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