不登校の現実 ぞっとする事実2

前回の続編である。

不登校について、調べれば調べるほどあまりいい結果はでない。

不登校そのものではないが、関係性があるものに児童虐待がある。

児童虐待をする親は、圧倒的に低学歴、つまり中卒か高校中退が多い。


岩井宜子・宮園久栄「児童虐待への一視点」犯罪社会学研究21号(1996)151頁には次のように書かれている。

(虐待する親は)中卒の割合が非常に高い。高校進学率が1960年代以降、90%以上であることと比しても特徴的である。性的虐待では、虐待者が中卒のケースが9割近いという統計もある。

※カッコ内は巨椋による説明文をつけたしました。

また虐待という方向から見ていくと、その根幹に「貧困」と「心の病気」があることが非常に多い。

東京都が虐待する親や家庭を調べたところ、約3分の1が「経済的に困難」であり、また親自身が「心の病気」や「性格に偏りがある」とされる人が、約7割もいるのだ。


ともあれ、不登校経験者は、せっかく高校に進学しても退学してしまう生徒も少なくない。


おそらく、ここ20年くらいの間、成人して高校卒業の資格を持っていない人、つまり中卒・高校中退者は同年齢の10%くらいであろう。


その10%の中に、小学校・中学校時代に不登校を経験した人が、多数含まれていると考えられる。


前回述べたように、不登校経験者の高校等への進学率が65%。

不登校経験者の中学校卒業直後の高校進学者については、そのうち38%が中退を経験しているからだ。

そしてその中には

【犯罪を行ってしまう人】
【低所得になる可能性が高い人】
ニートや失業者になる可能性が高い人】
【将来児童を虐待してしまう確立が高い人】

も多く含まれているに違いない。

もっといえば

【将来心の病気を患う可能性が高い人】
【将来自殺をする可能性が高い人】

も含まれる。


これらが、多くの不登校支援者が“語りたがらない”不登校問題のぞっとする現実だ。


それを解決するためには何が必要か?

単純に、学校に行ったり、卒業すれば良いというものではない。


大切なのは生きる力を養成することだ。


学校というものは、その生きる力を養成するための手段の一つである。


ただし、不登校の児童生徒を無理やり学校に連れて行き、最終的に子どもが自殺をしたり、病んでしまうことがあるとすれば本末転倒。


学校へ行くというのはあくまで「生きる力を養成する手段」であり、決して「生きる目的」ではないこと忘れてはいけない。





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巨椋修(おぐらおさむ)


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