不登校など大した問題じゃない
不登校など大した問題じゃない
実のところ、不登校問題というのは、大した問題じゃないんです。
「え?」
と、思った人。
「ムカッ」
ときた人は、ではなぜあなた自身にとって、なぜ不登校は問題なのかを考えてみてください。
例えば悩んでいる子どもは、なぜ不登校に苦しんでいるのか?
仮に、原因はいじめだとする。
だとすると、単純にいじめっ子がいて、そのいじめっ子が問題な場合、解決はカンタンです。
いじめっ子と離れるようにするとか、転校するとか、環境を変えればいい。
ところが、他の子どもや教師とうまく付き合えなくていじめられている場合もある。
この場合だと転校してもまたいじめられる場合が多い。
だとすれば、学校に行く行かないよりも、その子が人とうまく付き合えるように育(はぐく)んであげることが大切になります。
そうしないと、「不登校ではなくなった、でも卒業後社会になじめず苦しむ」というより残酷な結果になります。
他にも病気や障害で学校にいけないという場合もあります。
それが、精神・神経系の病気だと親や教師もちょっとわからない。本人や家族も隠したくなる。認めたくないという心理が働きます。
でもね。
ちょっと考えてみてください。
統合失調症(精神分裂病)は、100人にひとりの割合で起きる病気。
うつ病は、100人中3人か4人が発症する。
神経症になると、その割合は大変高くなりますね。
これが、学童期にすべて起きるなんてことはないんですけど、決してめずらしいものではありません。
それにいじめや、家庭の問題、非行、他の問題等々を合わせると、『現在、全国で不登校児数13万人は大問題』なんていうのは嘘で13万人程度は当たり前。
むしろ逆に、13万人程度なのはありがたいのかも知れません。
またね。『不登校は問題だ』って主張しなきゃいけない人もいるんですよ。
例えば、『不登校問題』の本を書いている人や、映画を撮っている人ね。(笑)
あるいは、不登校児を受け入れている学校とか支援団体とかね。
そういった人は、不登校がなくなったら、オマンマの食いあげになる。(笑)
『不登校問題』はね。
学校に行く行かないだけが問題じゃないんです。
もしその子に、病気や障害があればそれをどうするかどうかが問題であったり『子どもは学校へ行かなくてはならないという大人の固定観念が問題であったりすることが多いんです。
現在の義務教育は、学校にほとんど行かなくても、大抵は卒業させてくれますし、高校大学なんていうのは、学校に通わなくても、卒業証書をくれるところがありますから、不登校それ自体は、大した問題じゃない。
むしろ、問題は不登校ではなく、その裏側にあるように思います。
ひとつは、子どもが学校に行かない・卒業や進学・就職ができないから、心配であるということが、最大も問題であり心配事でしょう。
実際、小学校中学校で不登校経験があった場合、高校に進学しない・あるいは進学しても、中退になる確率は、かなり高くなります。
文部科学省の調査では、小中学校で不登校経験のある児童生徒の5年後を調べたところ、4人に1人がニートもしくはひきこもりになっているとの結果が出ています。
ある意味、それ以外の人は、バイトなり、進学なりをしているわけです。また、一時、ひきこもりやニートになった人も、そのほとんどが進学したり、なんらかの仕事についています。
しかし、中学で不登校だった人は、高校を中退する人もとても多く、小中学校で不登校を経験している人が、高校に進学をした場合、約40%が高校中退をしています。
高校中退も、中卒という学歴になるわけですが、いまの時代、中卒ではアルバイトを探すのも、なかなか大変なのが現実です。
これらのことを考えた場合、不登校は、その子の資質や気質、性格などが、表面に現われた結果である場合もあることでしょう。
本当の問題は、「子どもが学校に行けない・行かない」のではなく
「なぜ、この子は、学校など集団生活ができないのか?」
「心が疲れ切っているのか?」
「なにか障害が隠れているのか?」
ということも、考えてあげたほうが根本的かも知れません。
そして何よりも、この子が不登校であるという問題以上に大切なのは、
「どうすれば、本当の意味でこの子に利益になるのか?」
ということを考えてあげるべきでしょう。
過去のことは仕方がないとして、いま、それから未来が大切なのです。
まだ来ぬ未来のために、悲観しても仕方がありません。
過ぎ去った過去にこだわっていても仕方がありませんものね。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)