生活保護改正案可決で、また多くの死者が出る・・・

●いま、年間約2000人が餓死しているという現実

今年の5月、生活保護の不正受給の罰則強化などを盛り込んだ「生活保護法改正案」なるものが衆議院で可決しました。

おそらく参院でも可決することになるでしょう。

これでまた、先進国の中でも豊かな国とされているこの日本で、さらに多くの餓死者、病死者が出てくることになるでしょう。


武蔵野大学杏林大学兼任講師の舞田敏彦博士の計算によると、2011年の餓死者は、2053人とのことです。


この説が本当だとすると、約2000人が餓死しているのが、我が国の実態ということになります。


(参照・引用;http://tmaita77.blogspot.jp/2012/11/blog-post_22.html


そして、もし年間2000人もの人が飢えや栄養失調等で死んでいるとすると、一日5人以上、1時間半に一人が餓死しているということになります。

(参照・引用;1日5人超、4時間半に1人が餓死する日本-生活保護改悪は14年で1.6倍増の餓死者さらに増やす)


生活保護者のほとんどが働けない高齢者や病人という現実

今回の生活保護改正案は、よくネット等でみられる

生活保護者は働かずにブラブラして、俺たちの血税である税金でパチンコばかりやっている」

という意見を、政治家が拾いあげたものともいえるでしょう。


ところが、生活保護者の実態はというと、


· 高齢者世帯  45.6%
· 傷病世帯   23.9%
· 障害者世帯  11.5%
· 母子世帯   8.5%
· その他世帯  10.5%
(参照・引用;http://dic.nicovideo.jp/a/%E7%94%9F%E6%B4%BB%E4%BF%9D%E8%AD%B7


となっています。

つまり生活保護受給者の半数近くが高齢者世帯、つまりご老人なのです。

さらに35.4%が傷病・障害世帯と、8割以上が働きたくても働けない人たちが、生活保護を受けていることがわかります。

また、母子世帯ですが、2011年度の厚労省調査結果によると、母子世帯の平均年収は291万円。これは世帯収入なので、同居している祖父母の収入なども含まれるわけで、母親だけの就労年収は、181万円となっています。その多くが非正規雇用であり、ちょっとしたことで雇用が打ち切られ、181万円の収入も確保できなくなります。

いま、子どもを一年間養うには、0歳児でも約50万円かかります。2人いれば100万円以上がかかります。子どもが学校に通うようになればもっとかかるでしょう。当然、食べていけませんから、いろいろな手当て等もありますが、それでも間に合わないと生活保護ということになります。


生活保護費が日本経済を圧迫するというのはウソ

また、日本の生活保護費(社会扶助費)のGDP(国民総生産)における割合は、わずかに0.5%にすぎません。

これを海外と比べると

ニュージーランド 10.4%
フランス 3.9%
ドイツ 3.4%
イギリス 2.8%
アメリカ 0.8%
日本 0.5%
ギリシャ 0.4%
OECD平均 3.5%

つまり、生活保護が、日本の財政を圧迫しているなんてことはないわけです。


●日本の困窮者の98%が制度を利用していない現実

さらに、日本において、生活保護を利用する資格のある人のうち現に利用している人の割合は

日本 15.3〜18% なのですが、諸外国はというと・・・

ドイツ 64.6%
フランス 91.6%
イギリス 47〜90%
スウェーデン 82% 


と、我が国において他先進国とくらべて、ほとんどの生活困窮者が、生活保護制度を利用していないのです。

いえ、一部の人たちの社会的偏見や、“役所の水際作戦”により、生活保護を受けることができなくなってしまっているのが、現実であったりします。


●不正受給は、わずか0.4%

では、多くの人が問題として怒っている不正受給は、どれくらいの人がいるのでしょうか?


それは、生活保護をもらっている人たち全体でわずかに0.4%しかいないのです。

もちろん、わかっているだけで0.4%ですから、実態はもう少し多いと思われます。


しかし。そのわずか0.4%の人たちのために、多くの人が生活保護者に怒り、生活保護者を糾弾し、そして、もっとも保護が必要な困っている人たちが、生命の危機にさらされることになっている現実があるのです。


しかし、おそらく今回の生活保護改正案は通り、そのため生活保護を貰えて、再出発できる人の多くが、そのチャンスを奪われることでしょう。


教育が受けられる権利をもった子どもや若者が、教育のチャンスを奪われて、後々の生活が困窮することになるでしょう。


病院に行けば健康でいられる人が、病院に行かず健康や命を縮めたり、食べることに苦労をして飢え死にする人も増えることでしょう。


もし、これが日本国民の総意だとすると、ぼくは、とても恥ずかしいことだと思います。

そして、国会で生活保護者を受けにくくなる新システムを採用しようとしている政治家も、とても恥ずかしい存在だと思います。

(※参照・引用;日本弁護士連合会「今、ニッポンの生活保護制度 はどうなっているの?」)








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