家族内殺人
1月30日、2件の家族内殺人事件が報道されました。
1件は、45歳になる「ひきこもり」の次男が、兄と弟を包丁で刺し犯人である次男はその直後に首吊り自殺をしました。
「働け」に激怒…兄と弟を包丁で襲い、自殺か
(2012年1月30日13時56分 読売新聞)
30日午前10時頃、東京都杉並区宮前の無職男性(75)方から、「息子が刃物を振り回し、兄弟を刺した」と119番があった。
警視庁高井戸署員が駆けつけたところ、男性の長男(45)と三男(42)が包丁で頭などを切られ、長男は意識不明の重体、三男も重傷。次男(45)は風呂場で首をつっており、搬送先の病院で死亡が確認された。
同署では、次男が長男と三男に切りつけた後、自殺を図ったとみて調べている。
同署幹部によると、会社員の長男が、職に就かず引きこもり状態だった次男に「働け」と説教をしたところ、口論になり、次男は自宅2階で長男を襲った後、様子を見に来た三男も刺したという。1階にいた母親が気付き、通報した。長男は頭や首を、三男は胸や腹を刺されており、包丁は風呂場で発見された。
同日、大阪では小学校6年生の我が娘を刺し殺すという事件が起こっています。
小6女児刺殺 相談所に育児放棄通告も 逮捕の母親「娘が自分で腹を刺した」
(産経新聞 1月30日(月)12時52分配信)
30日午前0時50分ごろ、大阪府東大阪市布市町の民家で、「子供が救急車を呼んでほしいと言っている」と近所の住人から119番があった。同市消防局の救急隊員が駆けつけたところ、民家の玄関付近で、民家に住む小学6年の女児(12)が血を流して倒れているのを発見。病院に搬送したが、死亡が確認された。大阪府警枚岡署は、殺人容疑で無職の母親(37)を逮捕した。
同署などによると、母親は長女である女児と中学2年の長男(13)、小学1年の次男(7)との4人暮らし。長男が家出を繰り返し、保護されるなどしたため、同署が今月27日、東大阪子ども家庭センター(児相)に「ネグレクト(育児放棄)の疑いがある」と通告していた。
同署によると、母親は「私は殺人はしていない。娘が自分で包丁を使って腹を刺しました」と容疑を否認。母親は入院歴があるといい、同署は責任能力についても慎重に調べている。
逮捕容疑は30日午前0時50分ごろ、自宅で長女の腹を包丁(刃渡り16センチ)で刺し、殺害したとしている。駆けつけた同署員が、自宅前に次男と一緒にいた母親の身柄を確保した。包丁は付近に止めてあった子供用の自転車の前かごに入っていた。
同センターは、通告後の対応について「個人情報なので答えられない」としている。
一件目は、弟が双子の兄と、さらに自分の弟を刺した事件は、犯人が「ひきこもり」というもの。しかも年齢は45歳であり、まさに「高齢化するひきこもり・ニート」に該当する事件です。
2件目は、以前より母親による虐待があり、子どもはまともにご飯を食べさせてもらえなかったらしく、やせ衰え、真冬だというのにジャケットなどの上着も着せてもらえなかったといいます。
また、母親には入院歴があったそうですが、この入院が盲腸や風邪などではなく、精神的な障害での入院とみて間違いないでしょう。
これら2件の事件に見られる「ひきこもり」「精神障害による入院」「虐待」は、まさしく『不登校・ひきこもり・ニート』系の周辺事態であり、『不登校・ひきこもり・ニート』と深く関係のあることばかりです。
さてさて、平和大国ニッポンでは、年間1.000件の殺人事件が起きており、実際に殺されている人は約500人いると言われています。
さて、この500人いるお気の毒にも殺されてしまった人たちは、どんな悪い人に殺されたかというと、
その約半数が家族
そう……、家族なのですよ。
この中には、赤ちゃん殺しや、心中事件、老いた親への介護疲れよる殺人も含まれます。
よく「最近の日本は、治安に不安がある」という人は多いんですけど、
自殺者数 約30.000人以上
交通事故での死亡 約5000人
他殺者数 約500人
この他殺者数500人が多いとか少ないとかいう話しではありません。現代日本にこういう数字が出ているという事実です。
そして家族よる殺人が、殺人事件の約半数ある……
人間が生きていると、必ず他人との軋轢が生まれます。
それも身近な人ほど、その可能性が高い。
そしてもっとも身近にいるのが家族である。
家族とは、最小の人間集団であり、人は家族に囲まれて成長し、人として成長を続けていくものです。
で、あるとするならば……
願わくば、いい家族生活を送ってほしいなあと思うのであります。
『不登校・ひきこもり・ニート』もまた、家族の問題であったりします。
問題を改善したり、予防したりする方法はいろいろとあると思うのです。
小さなことからでも話し合ってみるとか
あるいは、どうしようもないときは、離れてみるという方法もあるでしょう。
「これは!」 などという方法はないと思うのですが、どういうカタチであれ、家族が平和であれば、それはとても素晴らしいことだと思うのです。