自殺と精神障害

日本では毎年3万人以上が自殺します。

自殺の約9割は、何らかの精神障害にかかっているといいます。

そのうちの半数はうつ病関連であり、うつ病にかかっている人のうち、4人に3人は医療にかかっていません。

つまり、ほとんどが医療にかかっていないということです。

(参照;第2 回自殺総合対策の在り方検討会討議資料 国立精神・神経センター武蔵病院 樋口輝彦さんより)


さらには、うつ病の9 割はプライマリケア(いわゆる「かかりつけのお医者さん」)を受診しているといいますから、ほとんどの人が専門医に診てもらっていないということかも知れません。


もっとも全国自死遺族連絡会の遺族への聞き取り調査によると、調査では対象となった1016人の自殺者のうち、精神科を受診、治療中だった人は701人で、69.0%を占めたといいます。
(参照;『自殺者の7割が精神科受診 抗うつ剤副作用疑う声も』(河北新報))

この調査によると、約7割が精神科を受診とあります。

もしそうであるとすれば、薬物療法のみで、しかもその薬物療法も、はたしてどれくらいきめ細かくなされていたのかが問われるのではないかと思われます。

病気になるということは、病気になる環境なり生活習慣なりがあるということもあるわけで、もしその環境や生活習慣が改善されていなければ、病気も改善されにくいといえると思うのですよ。

消化に悪いものを食べてお腹を壊した人が、それでも消化に悪いものを食べ続けているようなものですからね。

こういったことも、FHN放送局の放送配信でパーソナリティで「精神科薬物療法認定薬剤師」のはらけいこ先生ともお尋ねしてみたいと思っています。


どちらにせよ、自殺する人の9割が精神障害にかかっているとすれば、精神障害の治療や予防が自殺防止につながることに違いはないと思います。

精神障害があり、つい死ぬことを考えてしまう人は、きめ細かく病院に通い、つねに相談をすることだと思います。


おそらく来年は自殺者数が、3万人を切り2万人台となるでしょう。

自殺防止対策が少しずつ効果を出しつつあるのかも知れません。
しかし、まだまだ足りない。

ある説によると、日本は精神疾患や自殺者のため年間15兆円の損失があるそうです。
と、するならば、もっと国をあげて精神疾患の治療や自殺防止対策をやったほうがいいのではと思うばかりです。

(参照;自殺や精神疾患による経済損失は年間約15.2兆円?対策を怠ってきた日本が被る“大きなツケ”)


いま年間に自殺する人が3万人以上。日本にいる精神障害の患者数が300万人以上。

つまり……、単純計算ですと毎年精神障害の人が100人に1人自殺ということです。

事態は我々が考えている以上に深刻であると考えるべきです。




FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)