不登校その後の現実3 高校進学

中学卒業者の進路としては、高校進学・高卒資格がいらない専門学校・各種学校・就業・家でブラブラする……

なとがあります。

そのうち約6割の人が高校に進学しますが、まず高校の種類について述べてみたいとおもいます。


●全日制高校……ほどんどの生徒が通う高校です。不登校生徒本人も、親も全日制に進学させたいと思っている場合がほとんどです。


定時制高校……昔はや夜間のイメージが強い定時制高校ですが、いまは午前・午後。夜間と三部制でやっている高校も多くあります。授業時間は基本的に1日4時間。卒業まで4年かかりますが、場合によっては3年で卒業できるようなところもあります。中学不登校経験者が多く通う高校でもあります。


通信制高校……中学不登校者が多く通う高校です。毎日学校に通う必要はなく、数日間の出席と後は自宅で行なうレポートの提出によって勉強をします。卒業まで4年というとこが多いのですが、3年で卒業できるタイプの高校もあります。




※以上がいわゆる「高校」です、これから述べる学校もしくは教育施設は、一般的な意味での高校ではありませんが、高校通学・卒業を手助けする施設と、不登校経験者が利用することが多いものをあげてみました。



高等専修学校……中学卒業者を対象とした高等専修学校高等課程も不登校経験者を多く受け入れている学校です。通信制高校と連携をとり、通信制高校と同時入学というカタチで、高校卒業資格を取ることができる学校もあります。
ただし、通信制高校と提携をしていないと、高校卒業資格はとれません。


●高卒資格が取れない専門学校・各種学校……専門学校・各種学校の中には、高等専修学校なのに「専門学校を名乗っているところも多くあります。そういうところでは、高卒資格がなくても、入学でき、卒業しても高卒資格が取れないところもありますので、高卒資格が欲しい人は担当者に良く聞いてほしいと思います。
なお、文部科学大臣が「大学入学資格付与指定校」に指定した高等専修学校指定校の修了者は大学入学に関し、高等学校卒業者と同等以上の学力があると認められますので、大学を受験できます。


高等学校卒業程度認定試験……高校に行かなかったり、中退した人でも、この試験に合格すると、「高校卒業と同程度の学力を持つ」という認定を受けます。もちろん、大学や専門学校の入学試験を受験することができます。ただ、この試験は「高校卒業資格」ではありませんので、この試験に合格後、大学や専門学校に進学しないでいると、最終学歴は「中卒」となります。この試験に合格し、大学等に進学した場合でも、大学等を中退した場合の最終学歴は、「中卒」ということになります。


●サポート校……サポート校は、通信制高校に在籍する生徒たちの勉強学習支援をするところで、いわゆる無認可校ということになります。不登校経験者や高校退学者、学力不振者などを支援しながら、通信制高校の卒業をサポートします。


フリースクール……主に不登校経験者の受け皿として作られました。不登校支援者やPO団体が行なっている場合も多くあります。また、通信制高校と提携しているサポート校でも「フリースクール」を名乗っているところがあります。学校法人ではありませんので、私塾であり、私高校卒業資格は取れません。フリースクールのその方向性は、まちまちで、思想的にかたよっているところや、不登校やひきこもりなどを強制的に入寮させて問題を起こしたところなどもあります。



以上、中学不登校の人が高校に行きたいという場合の進路と、それに類する進路を述べてみました。

中学不登校の人、その親の9割ほどの人が、高校進学を望んでいると聞きます。

しかし、現実には、


・ 入学試験
・入学後の高校不登校の再開
・退学、留年、休学の不安
・他校への転校
・授業料・会費などの不安
・そして何よりも人間関係への不安


など、多くの「不安」があると思います。

次回はそれらについて考えてみましょう。


FHN放送局代表
巨椋修(おぐらおさむ)