不登校その後の現実2 進路その1

内閣府文科省の協力で作成した「平成21年版 青少年白書」によると

中学不登校が中学を卒業し、その4年後に「仕事にはついておらず,学校にも行っていない」といういわゆるニート・ひきこもり状態になっている人は16.5%もいるとのこと。


これを不登校ではない同年代の一般群と比べてみますと、「無業者のうち家事も通学もしていない人」、つまりニート・ひきこもり状態の割合は、わずかに2.3%(総務省調査)


と、実に大きな開きがあります。


このことからみても、中学時代不登校だった人が、後にニートやひきこもりになる確率は、他の人たちよりも多いことは間違いありません。


では、中学不登校だった人たちで、ニート・ひきこもりになっていない人はどんな進路をとったかというと、半数以上の人が高校に進学し、それ以外の人は、アルバイトを含め何らかの形で働いているわけです。


では中学不登校だった人で進学した人が4年後にどんな学校に行っているかというと


1、 四年制大学 29.4%

2、 専修学校各種学校 25.5%

3、 通信制高校 21.6%

4、 定時制高校 11.8%

5、 全日制高校 5.9%

6、 短期大学2.0%

6、 高等専門学校 2.0%


と、いうことになっています。ここで注意!

これは中学卒業4年後の調査ですので、大学や専門学校などは、高校を無事卒業して進学したか、あるいは高認資格を取得して進学した場合がほとんどと考えられます。
(※専門学校等には、高卒資格がなくても入れるところがあります)


ただ、中学不登校だった人の高校中退率は大変高く、2人に1人とも3人に1人は高校を中退するとも言われているくらいですから、高校に無事に進学したとしても、本人も親も

「はたして高校に通い続けることができるのか?」

という不安を持ってことも多いことでしょう。

そこで親御さんとしては、中学不登校だった人が、高校に進学したとしても、今度は高校不登校になってしまうという「心の準備」をしておいたほうがいいかも知れません。


そこで次回は、もし高校不登校になってしまった場合、転校などもなども考えておいたほうがいいので、どのような選択肢があるかを考えてみたいと思います。


FHN放送局代表
巨椋修(おぐらおさむ)