もっとも有効な不登校対策は学校復帰である。しかし……
全国に13万人いる不登校児童生徒ですが、彼らの将来は、いったいどうなっていくのでしょうか?
人の人生はそれぞれであり、『●●である』などと、言えるものではありません。
しかし、全体像を見た場合、決して楽そうではないと言えます。
文部科学省の調査では、不登校経験のある人の5年後を調べた場合、
大学・短大・専門学校・サポート校・予備校・フリースクールに通っている者が約3割。
フリーターが約3割。
正社員が約2割。
そして約2割がニート・ひきこもり
となっています。
これは、平成13年の調査なので、現代では少し変わっているかも知れません。
いろいろと調べていくと、不登校対策にもっとも有効なのは、進学も含める学校復帰あるといえるでしょう。
そして学校に復帰したら、極力、卒業すること。
同時に、在学中に就職活動をしっかりとやること。
と、いうのが、もっとも現実的な対策といえます。
難しいの学校復帰のやり方と、就職活動で、強引な学校復帰は、本人をひどく傷つけるおそれがあるため、充分に気をつけることと、不登校傾向にある人は、就職活動もあまり得意ではなかったり、やる気がない場合もあります。
また、当人も含め、親御さん、特にお母さんも、とても不安に思っていて、焦ってしまっていることが、ほとんどですので、学校復帰を焦らない・焦らせないという配慮も、必ず必要と思われます。
しかし、日本の就職状況は、基本的に新卒重視の傾向が強く、新卒時に就職できない場合、そのままフリーターになったり、ひきこもりやニートになってしまうことが少なくありません。
何よりも大切なのは、本人が何をやりたいか、そのためなら、多少の苦労は我慢できるか、というところにあると思うのですが、不登校経験者には、そういったことができない・考えられない人も多く、そこが悩ましいところですね。
それと最後にもう一つだけ。
たとえ、学校に復帰したり進学をしたとしても、その後、また不登校になったり、あるいはニートやひきこもりになってしまっては元も子もないというもの。
実際、ひきこもりやニートの人たちで、高校や大学など卒業までは普通通りだったのに、いざ社会に出たらうまくいかなくなってしまうという例が、たくさんあります。
その理由のひとつに、人とうまく付き合えなかったり、仕事の環境が悪くて、ひどく傷ついてしまうことなどがあります。
くれぐれも「不登校は克服しましたけど、その後、ひきこもりやニートから抜け出せません」なんてことにならないようにしたいものですね。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)