親が良かれと思ったことが・・・


不登校・ひきこもり・ニートの解決には親の寛容さが必要

 不登校にしても、大人のひきこもりやニートにしても、もし不登校・ひきこもり・ニートをやめたいと本人が思っているとしたら、そこには家族や親の存在が大きく影響します。

 よくないのは、親が良かれと思って強引に子どもを変えようとすること!

 親が良かれと思って期待を押し付けること!

パターナリズム】という言葉があります。はてなキーワードによるとパターナリズムとは


『父親的温情主義、父権主義、父権的干渉主義。本人の意思に関わりなく、本人の利益のために、本人に代わって意思決定をすること。父と子の間のような保護・支配の関係』


 とあります。これは父親に限らず、母親にもいえることで、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益になるようにと、本人の意志に反して行動に介入・干渉することをいいます。つまりは親が子を愛し慈しむように相手の面倒を見るということ。

 パターナリズムは多くの場合、医者と患者、国家と国民、教師と生徒に使われるのですが、力がある親と子にも当てはまります。

 すなわち親による過干渉、過保護などがあります。子どもの将来を心配し、学校に行ってほしいと思う親はくどくどとそのことについて語ることが少なからずあるのですが、そんなことは本人が一番わかっていることで、それだけでも生傷をえぐるようなことであることに気付かない場合があります。

 一見そうは見えないかも知れませんが、多くの不登校・ひきこもり・ニート本人は親に対して「申し訳ない」という思いを抱え込んでいます。

 ですから、ただ親がため息をつくだけでも、深く傷つくことがあるのです。



●足を引っ張る親のプレッシャー

 親としては、子どもに一日も早く不登校・ひきこもり・ニートから離れてほしいのでしょうが、空回りすることがあります。

 よく聞くのが、不登校の子どもに「こままでは進学できない」「他の子はどこそこで活躍しているのに」などなど、ひどい場合はニートやひきこもりの子どもが就職やバイトを決めてきても「そんな会社じゃ」とか「しょせんバイトでしょ」と、プレッシャーを与えたり皮肉ったりすることもあります。それも子どもをひどく傷つけ、子どものやる気を奪っていくのです。

 親自身の焦り、孤独になり、苦しい思いをしているのはよくわかります。しかしだからといって子どもにプレッシャーをかけてもほとんどの場合、うまくいかずかえってこじれていくことが多いのです。



●親にできること

 では親に出来ることを考えてみましょう。

 よく「だまって見守る」といいます。これは正しい。見守ることは原則であり基本です。ただ、だまっていてはダメでまず親子の関係性を良くすること。先に挙げたパターナリズムは、ラテン語で「父」をさす「パテル」が語源、その対義語は【マターナリズム】といいます。

【マターナリズム】の意味は、相手の同意を得て、寄り添いつつ進む道を決定していくこと。母性主義と呼ばれるものです。

 母性主義ですが、これは母親だけではなく父親もマターナリズムでいきましょう。ただ「相手の同意を得て、寄り添いつつ進む道を決定していく」といっても、過干渉や過保護はいけません。

 これはどういうことかというと、例えば夫婦であろうと友人同士であろうと、干渉され過ぎるとどんな相手でもイヤになりますよね、親子関係もそれと同じです。

 それに「相手の同意を得て、寄り添いつつ進む道を決定していく」というのも反抗期の子どもやすでに深く傷ついてしまった人には難しい場合もありますよね。どうしても過干渉か放任のに極端になりがち。

 ではどうすればいいか?

 それはまず親が楽になること!

 不登校・ひきこもり・ニートの子どもを抱える親は、意識しているしていないにかかわらず、自分もまた罪悪感のようなものを持っているものです。

 その罪悪感を子どもが感じて、子どもも罪悪感をもったりプレッシャーを感じたり・・・

 不登校・ひきこもり・ニートの親にはある共通点があります。

 それはあまり意識せずに、自分の常識や思いを子どもにかぶせてしまうことです。それは「学校に行かないといけない」「働かないといけない」という親が当たり前だと思っていることを、子どもに押し付けてしまうことです。だから子どもが「学校にいかない」「働かない」ことが許せなかったり理解できなかったりして、無意識のうちに子どもにプレッシャーがかけてしまうことです。


 さて、では親が楽になるためにしたほうがいいこと!

 
1、1人で悩まない、専門家に相談にいくべし!
 専門家といってもいろいろあります。各地に支援団体があり相談に乗ってくれる人がいたり、町々の精神福祉センターに相談するのもいいでしょうし、相談心が苦しければ心療内科医や精神科医に相談にいくのもいいでしょう。


2、同じなやみを持つ人と友達になるべし!
 つまりいまはいろいろな地域に、不登校とかひきこもりの『親の会』があります。そういったところにいけば同じ悩みを持つ人がいます。そういうところで悩みを共有してみてはいかがでしょう・


3、自分の人生を楽しむべし!
 子どもが不登校・ひきこもり・ニートだからといって、親も一緒に苦しむ必要はありません。自分の人生を出来る限り楽しむべきです。不登校・ひきこもり・ニートの本人たちは親が苦しんでいることを知っています。子ども気を楽するためにも、自分の人生を楽しんでください。

 






FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)拝


●オススメ本

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

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わたし(巨椋修(おぐらおさむ))が監督した映画『不登校の真実〜学校に行かないことは悪いことですか? 』DVDになりました。
精神科医不登校に携わる皆さんにインタビューをしており、問題解決のヒントになれば幸いです。
TSUTAYA』のドキュメンタリーコーナーにも置かれておりますのでご覧になってください。


●巨椋修(おぐらおさむ)の著書



ビックリ!おもしろ聖書物語 (リイド文庫)

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新版 丹下左膳

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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

陽明門護身拳法のHPはコチラ。門下生募集中!
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