あいさつができない人の心理とは?

不登校・ひきこもり・ニートの人たちと接していると、ときどきあいさつができない人を見かけます。

こういう人は、どこにいってもしなくてもいい苦労をすることになります。

あいさつというのは、対人スキルの基本。

つまり対人関係における基本ができないのですから、苦労をするのは当たり前といえば当たり前。


●あいさつができない人の心理とは?

しかし、あいさつができない人の心理とはどのようなものなのでしょうか? それは以下のようなもの。


・あいさつやこちらから話しかけたいのだけど、どうやって自分から声をかけていいのかわからない。

・もしあいさつをして、無視されたらどうしようと考えてしまい、あいさつができない。

・あいさつをするのが恥ずかしい。


ざっとこのようなものでしょうか。

このような心理から、あいさつをするときに固まってしまう人がときどきいます。

あいさつというのは対人関係の基本といいましたが、対人関係の入り口でもあります。ひとりでいるときに、自分に「おはよう」「こんにちわ」「こんばんわ」などとあいさつをする人があまりいないことでしょう。

自分以外の誰かがいるから、あいさつをするのです。

人と人が出会ったとき、あいさつが済んでから、いろいろな対話へと発展していくものですが、あいさつのできない人は、この対話も上手くない人が多いものです。

その心理も、上記にあげたのと同じようなもの。


・どうやって話しをしたらいいのかわからない。

・無視されたり、否定されたらどうしよう。

・恥ずかしい


などなど。

対話もまた対人関係の基本ですから、こういった人は、やはり人付き合いがうまくいきにくいのです。


・他にも、よくあるのが、人の目を見て話せない。

・人から見られるのが嫌。視線が怖い。


などという人もいます。


人は相手の顔を見て、その表情からも相手の心を読みながら話しをするわけですから、視線を合わせない人というのはそれだけで


・何を考えているのかわからない。気持ち悪い人


と、思われてしまいます。



●あいさつができない人の原因とは?

あいさつや対話が苦手な人や、人の目を見て話せない人はなぜそうなったのでしょうか?

まず過去にあいさつや対話で、傷ついたり失敗をしたりして、どうしたらいいのかがわからなくなったり、怖くなったということがあるかも知れません。

また、原因はよくわからないけれど、そういった人というのは押しなべて自尊感情が低いのです。

自尊感情とは、別の言い方では自己肯定感や自己評価ともいいます。あいさつができなかったり、対人関係能力が低い人というのは、自分で自分を尊敬したり肯定したり、評価が低い人がとても多いのです。

つまり劣等感が強く、自信がなく、人からバカにされているのではないか、嫌われているのではないかと怯えている人でもあります。


いろいろな意味で、とてもかわいそうな人ともいえるでしょう。


●自己否定という心の癖

あいさつができない・対話が苦手・人の目を見て話せない人は、残念なことに、他の人や社会から高い評価を得られにくいということが多くあります。

もし、ちゃんとあいさつができて、周囲の人たちと意見や情報、話題の交換ができる対人スキルがあれば、周囲の人からもっと親切なあつかいを受けられたかも知れません。

しかし、運悪くそれができないために「気持ち悪い」「何を考えているかわからない」と、避けられたり誤解されたりすることが多くなってしまいます。


本人もそのことを自覚していて、ますます心と体がすくんでしまい、ますますあいさつや対話、人の目を見て話すことができなくなってしまい負の連鎖がはじまってしまいます。


「自分は嫌われているのではないか?」「あいさつをしても嫌がられるのではないか?」という思いが心に住み着くと、やがてそれは「どうせあいさつしても・・・」「どうせ嫌がられるに違いない」と、自己否定の心理が定着してしまいます。


●まあいいやといういい加減さを大切に

このように、あいさつができない・対話が苦手というのは、何かと大変。

直せるものなら直せばいいのですが、明日からいきなりというのは、難しいでしょう。

そこで、「いまのところはこれでいい。とりあえずはまあいいか」と、いまの状態でもいいやと思ってみるのはいかがでしょうか?

確かにあいさつができない・対話が苦手というのは大変なのですが、これまでこの状態でやってきたわけですし、急に変わろうとしても変わるのもまた大変。


急に勇気を奮い起こしていきなり苦手なあいさつや、対話を上手にやろうと思っても、そうそううまくはいかないでしょう。

だったら、あまりマジメに考えないで「まあいいや」と、取りあえずいまの状態を認めてしまいましょう。

いまの状態を認めるということは、それだけで少し自己否定が少なくなるということですし、そのほうが楽ですから。

その上で、もし「やっぱりちゃんとあいさつができないとな」とか「対話がうまくなりたいな」と、思うのであれば、まあ、できる範囲からやればいいだけのこと。


そうできる範囲でやれれば、もうそれだけで成長なんですから。



FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)


FHN放送局で、何か取り上げるテーマや、ご意見・ご質問などを募集しております。
もし何かあれば osaogu@yahoo.co.jp もしくはコメント欄に書き込んでいただければと思います。




巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

陽明門護身拳法のHPはコチラ。門下生募集中!
http://members3.jcom.home.ne.jp/yohmeimon/


門下生募集中!お問い合わせは osaogu@yahoo.co.jp まで。