放射能・食品添加物・農薬・化学調味料を過剰に怖がることはない
●放射能は正しく怖がれ!
YAHOO!ニュースにこんな記事が出ていました。
<漫画「美味しんぼ」>原発取材後の鼻血の描写で物議
毎日新聞 4月29日(火)11時27分配信
週刊「ビッグコミックスピリッツ」に掲載された「美味しんぼ」の一場面
小学館が28日に発売した週刊誌「ビッグコミックスピリッツ」5月12、19日合併号の人気漫画「美味(おい)しんぼ」(雁屋哲作・花咲アキラ画)で、東京電力福島第1原発を訪れた主人公らが鼻血を出す場面が描かれ、読者から問い合わせが相次いでいることが分かった。同誌編集部は「綿密な取材に基づき、作者の表現を尊重して掲載した」などとするコメントを発表した。
漫画の内容は、主人公である新聞社の文化部記者の山岡士郎らが取材のために福島第1原発を見学。東京に戻った後に疲労感を訴えて鼻血を出し、井戸川克隆・前福島県双葉町長も「私も出る」「福島では同じ症状の人が大勢いる。言わないだけ」などと発言している。
(中略)
原作者の雁屋氏は今年1月、豪州在住の日本人向け情報サイトで2011年11月〜13年5月に福島第1原発の敷地内などを取材したことを明かし、「帰って夕食を食べている時に、突然鼻血が出て止まらなくなった」「同行したスタッフも鼻血と倦怠(けんたい)感に悩まされていた」などと語っていた。
(中略)
◇被ばくと関連ない
野口邦和・日本大准教授(放射線防護学)の話 急性放射線障害になれば鼻血が出る可能性もあるが、その場合は血小板も減り、目や耳など体中の毛細血管から出血が続くだろう。福島第1原発を取材で見学して急性放射線障害になるほどの放射線を浴びるとは考えられず、鼻血と被ばくを関連づけるような記述があれば不正確だ。
◇ストレスが影響も
立命館大の安斎育郎名誉教授(放射線防護学)の話 放射線影響学的には一度に1シーベルト以上を浴びなければ健康被害はないとされるが、心理的ストレスが免疫機能に影響を与えて鼻血や倦怠感につながることはある。福島の人たちは将来への不安感が強く、このような表現は心の重荷になるのでは。偏見や差別的感情を起こさない配慮が必要だ。
場面でいうとここんところですね。
放射能は怖いものですが、福島で取材した日の夕食時に鼻血がでるということは、もしそれが放射線によるものだとすれば、即死亡レベルの事件です。
当然、福島をはじめ、原発の作業員の方々、東北の方々は大量に死亡してしまうはずですが、もちろんそんな事実はありません。
ただ、東北をはじめ関東などでも「鼻血が出たら死ぬ」というデマが広まったりしていました。
疲労感や下痢に悩んでいる人が増えたという報道もありました。これらの「鼻血」「疲労感」「下痢」などの症状は、放射能の影響というよりも、ストレスの影響といったほうが正しいのではないでしょうか?
他にも福島や東北の野菜などで、奇形のものが見つかると、すぐに「放射能の影響で野菜が奇形化した!」などと大騒ぎをする人がいるようです。
農業はもちろん、家庭菜園とかやったことがある人ならわかると思うのですが、野菜の奇形ってごく普通に出来るものなのですよ。ただ、そういった野菜は商品にならなくて、お店に並ばないだけでめずらしいことじゃないんです。
これらの風評は、かえって日本中の人々の恐怖を煽り、ストレスの原因になっています。
放射能は怖いもの。しかし過剰なウワサやデマに踊らされたくないものですね。
放射能と同じように、食品添加物・農薬・化学調味料といったものを過剰に怖がる人たちも多くいます。
メディアの報道でも、「食の安全」を強調したいがために、これらのものを攻撃する場合が少なくありません。
なんといっても、過激な表現をして恐怖を煽ったほうが、視聴率や発行部数が増えますからね。
例えば、化学調味料ですが、化学調味料の元であるグルタミン酸ナトリウムをネズミに大量に与えたところ、約半分のネズミが死亡したとのこと。
このネズミを人間の体重に直したところ、グルタミン酸ナトリウム約972グラム(約1キログラム)ほどを一度に食べさせると、半分の人間が死ぬそうです。
ちなみに食塩だと、グルタミン酸ナトリウムの4分の1である240グラムを一度に食べさせると約半分の人が死亡するとのこと。
つまりは化学調味料より食塩のほうがはるかにアブナイということになります。(笑)
この数値は、おおよそ食品添加物でも似たようなもので、大量に摂れば塩や砂糖のほうが食品添加物の害が多いということになります。
ではなぜこれらを危険・危険というのかというと、実は昭和の高度成長期の時代では、食品添加物や農薬に、本当に人体に悪いものが使われてきて、被害も出たからです。
しかしいまでは、そういう危険なものは排除され安全に食べられるようになっていますし、また保存料などはむしろ、食の安全性を高めているのが事実です。
ただ、中国など海外のものには、まだ危険が高い添加物や農薬が使われているそうですから、注意は必要ですね。
これら食品添加物や化学調味料より、わたしたちがもっと注意しなければならない、本当に危険なものがあります。
それはウィルスや細菌類。
食中毒による死亡者数の推移を見てみましょう。
(参照;http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1964.html)
戦後多かった食中毒による死亡も、近年になると、ゼロかほんの数件に激減しています。
もしわたしたちが食べるコンビニ弁当などに保存料が使われていないとしたら、いまよりももっと多くの人の命が、失われていたと考えられます。
●農薬がなければ世界で数億の人が死ぬ
農薬もまた、多くの人に怖がられているものの一つです。
これも昭和の時代、危険な農薬を大量に使っていたことがありましたが、30〜40年前に比べると現在では、危険性ははるかに低くなり、また農薬使用量は10分の一に激減しています。
いまよりも危険な農薬を大量に使用していた時代の人は、いまの中高年の年代の人ですので、農薬がそれほど害があるとすれば、いまの中高年はアンチエイジングどころかバタバタと死亡しているか、重病にかかっているに違いありません。
しかし、その農薬が大量に使われ出した頃からですら、日本人はどんどん長生きするようになっています。
さらにいえば、農薬を使用しないと、農作物の生産は激減することがわかっています。
いま世界では、10億人の人々が飢餓で命の危険があるといわれていますが、もしこの世界中を支配する困った権力者がいたとして、「人々の健康のために、農薬を全面禁止にしよう!」などと、トチ狂ったことを言い出したら、その10億人の人たちはもちろん、食料値段の急騰で、先進国でも餓死者が多く出るに違いありません。
このように農薬は現在、世界の多くの人々の命を守っているとさえいえるのです。
●まとめ
さて、近年の風潮に反抗して、あえて放射能・食品添加物・農薬・化学調味料を擁護してみました。
と、いうのも、不登校・ひきこもり・ニートの人や、心のどこかに不安を抱えている人たちは、どうもこういったことに敏感になりやすい傾向があるからです。
放射能はもちろん怖いですし、食品添加物・農薬・化学調味料も、一つ間違えば有害です。
しかし過剰に怖がったり、神経質になりすぎるほうが、健康によろしくないようにも思えるのですよ。
環境にしても、食べ物にしても、とても大切なものですから、注意は必要なのは当然ですよね。
でも過剰に怖がるってストレスを溜め込んだり、おびえて暮らすのも健康に良くありません。
正しく怖がって、後はまあそんなに心配しないで生きていくのがいいんじゃないでしょうか?
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)
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