日本人のサラリーマン化と不登校
不登校というものと、日本人の総サラリーマン化と関係があると言われています。
つまり、1950〜60年代、高校進学率が高まり、地方の人はこれまでの出稼ぎではなく、集団就職で地方から都市部にやってくるようになります。
この頃はまだ、日本にはサラリーマンよりも、自営業者の方が多かったのです。
戦前あたりだと、むしろサラリーマンというのは、終身雇用ではなく
「いつか独立してこそ一人前」
と考えていました。
これは、江戸時代の商人が、丁稚、番頭と出世して、いつか自分のお店を持つのが夢であったと考えればわかりやすいと思います。
一生ひとつの会社で勤め上げるという“日本型終身雇用”は、戦後に生まれたものだといえます。
さてさて、1960年代の後半には、大学の受験戦争が叫ばれるようになり、教育ママなどという言葉が生まれます。
そして、70年代、80年代、90年代と、年代がすすむに連れ、自営業者が10%ずつくらい減り、サラリーマンが逆に増えてきます。
80年代、90年代あたりから、自営業も会社化が進み、住まいと職場が、遠く離れていきます。
これは、現在の日本人らしく“みんな一緒にサラリーマン化”していったといっていいでしょう。
みんな一緒の原点は、農村のムラ意識ですが、おのおのが田畑を自営していた時代の、共働関係ではなく、会社という機械の一部になるように求められ、とても“生き難い”状況に、日本人がいっせいに動き出したように思えます。
その間、日本人は
学校恐怖症
学生無気力症
登校拒否
フリーター
ひきこもり
ニート
という“お言葉”が流行します。
これらの言葉は、以外、学校やサラリーマンといった“普通”から外れた人への言い方であるといえるでしょう。
どうも我々は、そういった人に、なんらかの言葉をつける習慣があるようです。
また、若者や関係者なども
「ボクはニートなんです」
という事で安心できるのかも知れません。
この場合、お言葉は一種の“肩書き”にまでなっています。
なんで日本がこのような状況になっているのかというと、どうもね。
戦後の教育にも関係あるように思えるのですよ。
戦前・戦時中の教育はというと、とにかく国力をつけるために、必死で子弟を教育したのですがね。
いかんせん、まだまだ貧しい時代であり、圧倒的多数が農家や商店の自営業者であったんです。
だから、忙しいときなんかは、家業の手伝いをして学校をしょっちゅうお休みするのは当たり前。
「百姓に学問はいらん」
とか
「商売人に学問はいらん」
とかいって、学校に行かせてもらえない子どもも当たり前にいたりします。
よって学校に行かない・行けない子どもがいてもまったく問題にならなかったのです。
これが、サラリーマンが増えてくるにしたがい、“学校に行かない子ども”というのが、問題になってくる。
(この場合、公務員もサラリーマンに入るものとします)
日本の学校というのは、戦前戦時中なら、“よき兵隊”をつくる機関であり、戦後にあっては、“よきサラリーマン”になるために、大変都合のいいものであったのですよ。
よきサラリーマンになるためには、
「いい学校を出て、いい企業に入る」
ということになります。
それまでなら、学校が苦手な子どもは、「家業の手伝いのため」という名目のもと、学校に行かない場合も多かったのですが、良きサラリーマンになるためには、無遅刻無欠勤の方がいいのです。
ま、わたしのような人間から言わせれば
「サラリーマンもいいけど、それだけが人生じゃないよ」
くらい言いたくなりますね。
『不登校・ひきこもり・ニートを考える FHN放送局』
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