うつになりやすい性格 - おぐらおさむ（巨椋修）の不登校・ひきこもり・ニートを考える

●まじめな人がうつになるわけではない、なぜまじめなのかが問題なのだ！

　どんな病気でもつらいものですが、その中でも『特に』をつけてもいいのがうつ病です。なぜならば、うつ病になると

「気分が落ち込み」
「絶望的になり」
「悲しくなり」
「思考能力が落ち込み」
「好きだった物事に興味を失い」
「人と話す気になれず」
「不安にさいなまれ」
「それでいて気持ちは焦り」
「眠れなくなり」
「何を食べても不味く感じ」
「疲れがとれず」
「性欲もなくなり」
「体調がすぐれず」
「死んだ方がましだと思うようになる」

　と、心も肉体も重苦しく、生きている喜びが感じられなくなってしまうからです。

　うつ病には『なりやすい性格』というものがあり、どの精神医学の本を読んでも「まじめで責任感が強く、仕事熱心な人がかかりやすい」ということが書かれています。

　でも「まじめで責任感が強く、仕事熱心」っていいことですよね。それに「まじめで責任感が強く、仕事熱心な人」ってたくさんいて、そのほとんどの人はうつ病とかにかかっていません。

　実は「まじめで責任感が強く、仕事熱心な人」がダメだとか、うつ病になりやすいのではなく問題は

　なぜその人がまじめで責任感が強く、仕事熱心なのか？　どうしてそういう性格になったのか？　という理由が問題なのです。

　どういうことかといいますと、もしその仕事に生きがいを感じており、仕事が大好きで、責任があり仕事熱心であるなら、うつ病になる確率は逆にとても低いであろうと考えられるからです。

　ではどうしてうつ病になる人に「まじめで責任感が強く、仕事熱心な人」が多いのかというと

　その人は嫌々まじめを演じており、しくじったらアレコレ言われるのが嫌だから責任感が強くなっているだけで、責任を感じて仕事をやっているわけではなく、そのため強いストレスを感じ、うつ病になりやすいと考えられるのです。

●人に良く見られたい、言われたい、思われたい。

　ではなぜ嫌々なのに、あまり仕事が好きではないのに「まじめで責任感が強く、仕事熱心な人」と思われるほど仕事に打ち込み、心や肉体を痛めてしまうのでしょうか？

　それは人に良く見られたい、言われたい、思われたいという精神が強くあり、さらに「そうしなければならない」という強迫観念に近い気持ちがあるからです。

　その根底には、子どもの頃から勉強なんかしたくないのに、まじめにちゃんとしないと、親から認めてもらえなかったり、ひどく叱られたりすることがあり、親から良く見られたい、認めてもらいたい、怒られたくないという思いから、好きでもない勉強を、さぞ勉強が好きであるかのごとく演じて来たということがあります。

　そういう人は大人になっても、仕事という面で同じことを繰り返してしまい、それは自分の心や体を壊してもやめようとはしません。

　普通なら、心や体を壊してまで何かを続けることはしません。しかし何かに執着する人はやってしまうんですねえ。

　フラれた恋人に執着する人は、ストーカーになってしまったり、あるいはいつまでもその人のことをあきらめ切れず、くよくよと後悔したりその人を恨み続けたりするのに似ています。

●心の奥底に潜む憎しみ

　うつ病になりやすい人というのは、心の奥底に憎悪を潜ませています。しかし、普段はその憎悪を見せることはありません。

　おそらくそれは、子どもの頃から、自分を殺し自分を親から良く見られたい、言われたい、思われたいために、良い子を演じ続けきており、しかし親は「ありのままの自分」を認めるのではなく「成績が良い時だけ」「周囲から評判が良い時だけ」しか認めてくれないことに対する不満が憎悪の種になっているのではないでしょうか？

　そうやって育ってしまった人は、自己肯定が難しくなり、他人の自分への評価が気になりがちです。そのためささいなことで「私は嫌われているのではないか？」と他人が怖くなってしまったり、あるいは不安を抱えるようになりがちです。

　そして自分は悪くない、自分は正しいと主張するために、不安を隠すために弱者を悪者にして憎悪の矛先にして攻撃したりすることもあります。

　また、うつ病になったときにその憎悪が噴出してしまう場合もあります。

●うつ病予防は「いい加減に生きる心がけ」

　うつ病になりやすい人というのは、働きたくないのに働いてしまう人であり、ストレスの発散が下手で場合によってはストレス発散にすら罪悪感を感じてしまう人のようです。

　つまりいい加減にすることが苦手な人といってもいいでしょう。

　ですから心がけて、いい加減にしましょう。

　人生なんて適当でいいんじゃないでしょうか？

ＦＨＮ放送局
巨椋修（おぐらおさむ）

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