ニートひきこもりの自殺と心の骨折


時事ドットコムに以下のような記事がありました。


無職者、高い自殺リスク=3年連続3万人下回る−政府白書
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201506/2015062200121


 政府は22日午前の閣議で、2015年版の自殺対策白書を決定した。自殺者数は減少傾向にあり、14年は2万5427人と、3年連続で3万人を下回った。ただ、無職者が1万5036人と全体の約6割を占めており、就職支援や心のケアなどの取り組みを関係機関に求めている。

 主婦や求職者を含む20、30歳代の自殺した無職者2526人のうち、引きこもりや就職の準備をしていないニート若年無業者)など「その他の無職者」が7割以上の1812人に上った。自殺原因はうつ病統合失調症といった精神疾患が多く、これ以外では、就職失敗や生活苦、人間関係のトラブルなどだった。

 一方、若年層(40歳未満)が自殺に追い込まれやすい時間帯は男性の場合、「午前0時台」にピークがみられた。白書は若年層対策として、繁華街での街頭パトロールや、深夜も営業しているコンビニエンスストアなどで相談先を案内するといった取り組みが有効と指摘。「地域レベルで支えていくことが必要」としている。(2015/06/22-10:22)




20、30歳代の自殺した無職者2526人のうち、引きこもりや就職の準備をしていないニート若年無業者)など「その他の無職者」が7割以上。


自殺原因はうつ病統合失調症といった精神疾患が多く、これ以外では、就職失敗や生活苦、人間関係のトラブルなど。



なぜ、ニートやひきこもりに自殺してしまう人が多いのでしょうか?


これは私個人的な見解ですが、やはり自己肯定感の低さであり、絶望感の強さではないでしょうか?



先日、NPO法人『 育て上げネット』理事長の工藤啓さんと、社会学者の西田亮介さんが書いた『無業社会 働くことができない若者たちの未来』を読みました。



この本によると、15〜39歳までの16人に1人が若年無業者ニート)であるそうです。


「最近の若い者は」「ニートは怠け者」などと、メディアに叩かれることが多いのですが、その実態は「働きたいけど、働けない」という人がほとんどであるようです。


その理由は様々ですが、その多くは【心が折れている】状態にあるようです。


つまり【心の骨折】


不況のため、数十社の入社試験に落ち続ける。するとどんな人でも「私はこの世の中に必要ない。求められていないのではないか?」と思ってしまうもの。


入った企業がブラックで、身心ともにボロボロになってしまうということもある。


それ以前に、親が学校から、否定的なことを言われ過ぎて『自己否定』『自己嫌悪』の暗示にかかってしまっている場合も多々あると思います。


もし、肉体の足が現実に折れているとしたら、誰も折れている人に「走れないなんて根性なし!」なんていいません。


むしろ同情し、優しく気づかうはずです。


しかし【心の骨折】は、誰にも見えないため、逆に折れた人を攻撃し、追い詰めていくことになりがちです。


追い詰めるのは、周囲の人だけではありません。


世間の雰囲気や、メディア、ネット社会などもそうです。


そして誰よりも、自分で自分を責め続け、やがて自分や自分の将来に絶望し、自殺を考えるのではないでしょうか?


不登校・ひきこもり・ニートのほとんどは、自分で自分を責めるのが“癖”になっているように思えます。


悪い癖を直すには、それなりの努力も必要でもありましょう。


それが心のリハビリなのかも知れません。


ですから、そんなに自分を責めないでください。


人生なんて、適当でいいんじゃないでしょうか?








FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)