第4回 心の病気を考える「精神病、精神疾患、精神障害の違いってなに？」
わたしが不登校・ひきこもり・ニートを取材するようになって、ちょっと混乱したのが「精神病」「精神疾患」「精神障害」といった似たような言葉がたくさん出てくること。
今回はこれらの違いについて述べましょう。
まず「精神病」と「精神疾患」は、ほぼ同じと考えていいでしょう。つまり「精神病」と「精神疾患」とは
【精神の病気・疾患】
という意味。
では「精神病・疾患」と「精神障害」の違いとは何でしょうね？ 辞書によると【障害】とは
しょう‐がい【障害／障碍／障礙】
［名］(スル)１ さまたげること。また、あることをするのに、さまたげとなるものや状況。
と、あります。精神障害の中で「パーソナリティ障害」といわれているものの中には、疾患ではなく、人格の未熟さのための障害なども含まれていますから、精神障害とは
【精神疾患や性格等で生きづらさを抱えており、自分もしくは周囲の人が困ったり悩んだり、迷惑をしたりする】
と、いうことになりそうです。
●精神疾患者は精神障害者に含まれるが、精神障害者は精神疾患と限らない
また精神福祉法によると
第５条 この法律で「精神障害者」とは精神分裂病（統合失調症），中毒性精神病，知的障害，精神病質その他の精神疾患を有する者をいう。
ということですから、この法律において【精神疾患の患者は、精神障害者に含まれるが、精神障害者は、精神疾患とは限らない】ということになりますね。
【疾患】は治るもの。
【障害】は、後々まで症状が残るもの
という違いがあります。
例えば、身体の病気にかかって、治療や自然治癒などで元の状態に戻ると「病気が治った」となります。
しかし一生何らかの不自由やハンデを抱えるようになってしまった場合、「障害が残った」ってなりますよね。
精神疾患の場合、中には一生治療を続けていかないといけないものや、大変再発がしやすいものがあったりしますので、そういう場合【精神障害】ってことになるようです。ややこしいですねえ。
● まとめ
・ 精神疾患と精神病は同じ意味
・ 精神疾患者は精神障害者に含まれるが、精神障害者は精神疾患と限らない
FHN放送局
巨椋修（おぐらおさむ）拝
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巨椋修（おぐらおさむ）は陽明門護身拳法という護身術＆総合格闘技の師範をやっています。
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