小6男児の母親を殺人容疑で逮捕「学校に行きたがらず…」
2年前あった事件に書いたものです。
資料ストックにあったので掘り起こしてみました。
2年前と変わらずいまでも、親子間の不幸な事件がおきています。
わたしたちは、このような事件が起こらないように、もっと考えるべきなのでしょう。
わたしがいま、もっとも必要と思っているのは母親支援です。
苦しんでいるお母さんたちにを何らかの方法でサポートすることで、下記のような事件は減ってくるのではないかと考えて思っています。
小6男児の母親を殺人容疑で逮捕「学校に行きたがらず…」
(読売新聞 - 08年09月29日 19:39)
神奈川県横須賀市のアパートで29日朝、小学6年の男児の遺体が見つかった事件で、横須賀署は29日、同市金谷3、●●容疑者(40)を殺人の疑いで逮捕した。
発表によると、●●容疑者は29日午前5時半ごろ、自宅で市立城北小6年の長男裕貴君(11)の首をひものようなもので絞めて殺害した疑い。
調べに対し「裕貴が学校に行きたがらず、友達も少なかったのでかわいそうになった。自分も人間関係に悩んでいて、一緒に死のうと思った」と供述しているという。
事件の約1時間後、近くの母親(67)宅に駆け込んだ●●容疑者の様子がおかしいため、母親がアパートを訪ね、裕貴君の遺体を見つけたという。
●●容疑者は、夫(55)と裕貴君との3人暮らしで、夫は午前5時過ぎに釣りに出かけていた。城北小によると、高梨容疑者は今年4月からPTA役員を務めていた。川尻克己校長(56)は「裕貴君は金曜日まで普通に登校していた。家庭内の問題も特に聞いていない」と話している。
またか……
と、思ってしまう事件でした。
08年9月中に起こった母親による子殺しは、6件目なのです。
母親による我が子殺人は、年間に100件前後あり、ここ10年の間、特に増えても減ってもいないのです。
今回の事件に関していえば、この母親は学校行事やRTA活動にも熱心に参加しており、お子さんはというと、下級生の面倒見もよく、明るく元気な子どもであったそうです。
ただ……
母親がいうには子どもが
“学校に行きたがらず、友達も少なかった”
と、思っており、自分自身も
“人間関係に悩んでいて、一緒に死のうと思った”
と、語っているように、母親自身に何らかの、心理的問題があったのかも知れません。
また、この母親は我が子が「不登校である」と思っていたらしいのですが、学校側の説明によると不登校ではなく、特に問題もなかったようです。
と、すると、やはり母親自身に、育児不安や、悩みがあり、それで我が子を殺してしまったのかも知れません。
ただ、短い報道のみでは、そのくわしいところは解らず、単純に母親を非難するようなことは避けたいと思います。
わたしは、長年、不登校とその周辺事態について取材をしていますが、今回の事件のように、
「子どもの問題というより、親や大人の問題が、子どもの問題に反映される」
というようなことを、よく見聞きします。
つまり、ここで言えるのは、この母親をただ単純に責めるだけではなく、子どもを守るためには、母親をも守る、子育てしやすい環境を作らないといけないと思うのです。
そうしないと、この手の事件は、決して減らないと思うのです。
【子どもを守るためには、母親を守れ!】
と、わたしはそう考えています。
FHN放送局代表
巨椋修(おぐらおさむ)