ストーカーについて
あるコンビニの前を通ってね、ふと思い出したんですよ。
数年前、このコンビにで殺人事件があってね。
ストーカー殺人事件。
それで偶然ワイドショーの取材を受けたことがあるのです。
ちなみに、ストーカーの、加害・被害両方に、“ひきこもり系”の人が関ってしまうことが少なくないんですよ。
ストーカー加害者の場合、依存症と同じような、人間関係不全みたいなところがあって、相手のことをあまり考えられない人が、加害者になりやすいんです。
そして、類友ってわけでもないのでしょうが、なぜか被害者側になることも、あったりします。
少なくとも、加害者・被害者になってしまったという例を、残念ながらわたしは両方とも知っています。
実際に加害者の人に会ってみると、意外に弱々しくて、「まさかあんな人が……」っていう人もいるね。
あと、アル中とか家庭内暴力を振るうような人も多いように思います。
加害者は男ばかりじゃなくて女も結構いてね、ただ、被害者が男の場合、「男の沽券にかかわる」とかいう思いがあるせいか、警察に訴えたり、他人に相談しにくいということもあるようです。
被害者の人はというと、何か人の良さそうな人とか、頼られそうな人が被害に会いやすいように思います。
まあ、男にせよ女にせよ困ったと思ったら、弁護士なり警察なりに、そういった相談を聞いてくれる機関があるから、がまんしないで相談した方がお互いのためだよ。
でも、できるなら専門的な機関の方がいいかも知れないね。
ストーカー被害っていうのは、セクハラと似ているところがあって、被害者の方も
「あんたにも隙があったんじゃないの!」
って、責められることが少なくないんですよ。
また、被害者の方が誘っている場合だってないとは言えないんです。
これは、アルコール依存症の妻が、被害を訴えながら実は、相手のアルコール依存を助長している“共依存”に似ているとも言えます。
まあ、被害者の人を共依存っていうと、「なにを馬鹿な!」って怒られるかも知れないけど、そもそも男と女ってもんは、そんな一面もあってね。
これが難しいところなんですよ。
女性は、男性をひきつけるために、ミニスカートをはくという心理もあるんですけど、それを男じっとみたら、「痴漢!」なんて言われかねない難しさというか、シーソーみたいなところがある。
高校生や中学生が、恋をしている相手をコッソリつけてみたり、偶然を装って「たまたま、会いましたね」なんていうのは、ストーカー的心理では、あるけどストーカーじゃないでしょ。
セクハラもそうで、どこまでがセクハラでどこからかセクハラかなんて、すごく難しい。
これにいま流行りの“ジェンダー”とか言い出すと、ますますややこしくなってくる。
いじめも似たところがあって、どこまでが遊びでどこからがいじめかなんていうのは、被害者の感覚と感情によるしかないような場合だってある。
だから、『いじめ』や『セクハラ』は、相手か自分が嫌だと思ったときに発生するとされるんです。そこには、人間関係とか、コミュニケーションを読み取る力が必要で、基本的に『相手が嫌がることをしない』ということが大切になります。
『不登校・ひきこもり・ニート』の人の中には、このコミュニケーション能力が上手くないために、ストーカー被害者や加害者になる場合もありますね。
何にせよ、被害を受けたと思ったら専門家に相談するのが一番です。
また、加害をしていると自覚をしたら、それは相手に迷惑なんだから、即行でやめるべきです。
ストーカーっていうのは、被害者にとって、とんでもない苦痛になります。
ストーカー被害を受けた相手が、逆に我慢できなくなって、加害者を殺してしまうなどということもあります。
また、引っ越しや転職を余儀なくされたりもします。
とうてい許されるような犯罪ではありません。
被害を受けたら、命に関わると思って、必死に対抗するしかないようですね。
話してわかるような相手ではない場合が多い。
だから、話し合いで解決しようなんて思うと、相手をエスカレートさせてしまうこともあります。
「話してわかる」
「穏便に済ませたい」
と思っているうちに、取り返しのつかない状況になることも多いんです。
そのため勇気を持って、対処しないといけない。
そうしないと、殺されたり、自分の周囲、家族や会社にも被害が広がったりします。
相手はまともではないのですから。
FHN放送局代表
巨椋修(おぐらおさむ)