「ないがまま」でいこう!
●「ないがまま」とは「ないものねだり」をしない生き方
「あるがまま」に生きることが難しいなら、「ないがまま」に生きるというのはどうでしょうか?
「ないがまま」とは「ないものねだり」をしないで生きていくということ。
「足るを知る」ということでもありますね。
「足るを知る」とは中国の思想家老子の言葉で、元々は「知足者富」(足るを知る者は富む)という言葉からきています。
なぜ「足るを知る者は富む」のでしょうか? この「富む」とはお金の話しではなくもっと精神的なものを指しているようです。
「足るを知る」とは「分を知る」を知ることでもあります。
●いまの人は餓鬼道に落ちた亡者がたくさんいる
どんなにお金持ちでも足る(満足すること)を知らないと、いつまでも欲望や欲求に追われ、いつまでたっても不満足であり、心の飢えがおさまりません。
仏教ではそういう状態を「餓鬼」といいます。
餓鬼とはいわゆるガキ、子どものことではなく、地獄の餓鬼道に落ちた亡者のことで、食べ物や飲み物があっても、その世界では、それらを口に入れようとするとたちまち燃えて飲食することができず、ずっと飢えたままであり、それでも食べ物を見れば飛びついていきます。
(餓鬼草子より:亡者だけではなく、現代では生者にも餓鬼がたくさんいそうだ)
これが亡者ではなく、生者であれば、いくらお金があっても満足できず、もっともっとと欲しがる人であり、食べても食べても、例え食べ過ぎてお腹がはちきれそうになっても、また食べ物を欲しがる人といえばわかりやすいでしょうか。
どうやら現代社会には生者の餓鬼もたくさんいそうです。
ここまで極端ではなくても、人の欲望は際限がありません。それなら、もっともっとと「ないものねだり」をするよりも、もしいま持っていないのであれば、まずは「ないがまま」で満足していくというのでいいのではないでしょうか?
●不登校・ひきこもり・ニートも生きづらさも餓鬼のような欲望が原因
このブログは不登校・ひきこもり・ニートを考えるブログなので、不登校・ひきこもり・ニートについて述べましょう。
実は不登校・ひきこもり・ニートも、生きづらさを抱えた人も「足るを知る」ことができず「もっと欲しい、もっと欲しい」という餓鬼のような心情から苦しんでいる人がたくさんいるのです。
「え? そんなことはないよ」とお思いの方も多いでしょうが、では問います。
なぜ多くの不登校児童生徒やその家族は、たかだか学校に行けないということにこれほどまで苦しむのでしょう? 中には自殺を考えるほどに。
なぜ多くのひきこもりやニートの人は、うまく働けない、人の交流がうまくいかないという程度のことで苦しむのでしょうか? 中には自殺を考えるほどに。
不登校・ひきこもり・ニートではなくても、多くの生きづらさを抱えた人たちはなぜ苦しむのでしょうか?
これらは皆、「いまのままじゃダメだ。いまのままじゃ足りない。ほっと欲しいとは言わないけど、せめてあと少しだけ欲しい」とい不満足から苦しむのではないでしょうか?
●「ありがまま」がダメなら「ないがまま」でいこう
不満足というのは「現状の自分に満足していない」ということでありましょう。これはよく言われるところの「あるがまま」ではダメだということでもありますよね。
つまり「あるがまま」だと不満だということです。しかし、いまある自分の不満はいまの問題が解決したとしても永遠に続くおそれがあります。
これを不登校に例えると
・最初は「学校に行けるようになるだけでいい」
↓
・それが「こんな成績だと学校来ている意味がない」
↓
・『進学先がこんな高校や大学だと進学なんてしないほうがマシ」
などなど、いまに不満な人はいまの問題が解決できても次々に不満がやってきます。
だったらいっその「あるがまま」という考え方を「ないがまま」にシフトしてもいいのではないでしょうか?
「ないがまま」とは「ないものねだり」をしないで生きていくということです。
「ないものねだり」というのはガキンチョがやることですよね。つまり「ないがまま」で生きるということは、餓鬼ではなくなるということでもありますしね。
別にみんなと一緒じゃなくてもいいじゃないですか。
特別な能力などなくてもいいじゃないですか。
たくさんのものなどいりません。
欲望に振りまされるのはごめんです。
さあ、ないがままでいこう!
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※追伸:実は「ないがまま」というのは私の造語のつもりだったのですが、作家で僧侶の玄侑宗久さんが『ないがままに生きる』という本をお書きでした。残念なようなうれしいような(笑)
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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。
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